2011年09月20日

『巨人族の逆襲』第7回:前口上とダンジョン・デルヴのこと

 実際に遊んだのは9月のアタマなんですが、今頃レポート更新。
 あれこれと手が回らなくて、帰宅して仕事済ませたら、ばったり倒れて寝ている状態だったのです(それでも1度はオフラインで遊んだりもしてはいるので、もうちょっとうまくやればなんとかなるに違いない……><)。

 『巨人族の逆襲』第7回、この間オフでご一緒した方たち(やはり『巨人族』を遊んでいらっしゃるとのこと)のご様子からするとまだ序盤のようなのですが……

 で、キャンペーンのほうは間が空いたり1セッションに1遭遇だったりとわりとのんびりペースで進んでいるのですが、実は私らそれなりに遊んでる。人数が揃わなかったり、DMの都合が悪くて1週飛んじゃったりしたときにはダンジョン・デルヴが走るからです。

 フローター・スタイルのキャンペーンのメンツでデルヴを走らせるというの、実は結構有用で、というのもデルヴはそのまま新作PCの運用やPC同士の組み合わせの相性の確認に使えるので。うちとこでは、フローター・スタイルなのはPLだけじゃなくPCもなのです。そりゃあれだけサプリが出ればいろんなPCを使ってみたいし、とはいえそんなにシナリオとっかえひっかえして遊ぶだけの余裕はなし。一方でみんな遊んでみたいPCを好き放題作るので、これが本当に“PT内で上手く回せる”かどうかは使ってみないとわからない……
 他にも、PC同士のコンボや立ち位置確認にも使ってみたり。ちなみにこないだは、さすがに13レベルともなるとウィザードは前線に出たら死ぬというのを思い知らされました^^;;;

 というわけで、キャンペーン本編隙間のデルヴでまず運用して確かめてみたりしてるのです。なのでデルヴは基本夢オチ、経験点もアイテムも“現実世界”たる本編のほうには持ち越さない感じで。

 ……まぁ、せっかく時間開けたんだから遊びたいってのが一番の理由だったりもしますが。
posted by たきのはら at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 巨人族オンセ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月20日

隙間時間オンセの会『巨人族の逆襲』第6回:目次

ネタバレ注意!
このレポートは「シルヴァー・クロークス戦記 巨人族の逆襲」を遊んだものです。
まだ遊んでいない方はリンク先にはいらっしゃらないほうがよいと思います。


というわけで、第6回のプレイレポートです。
8月6日(土)22:30〜25:00程度

第3章・第1場……になるのかな?
翌日DM含めて予定のある人が多かったので、戦闘遭遇1回のみの短めセッションでした。
今回は私のスケジュールがぎゅう詰めで、とりあえず書けるぶんだけ書いちゃえ的な感じになったのでレポートが遅れに遅れた上荒いですが、欠番回を作るよりはいいのでとりあえずアップ。何しろ第7回は明日(というかもう今日か……)遊ぶ予定だったりするので。

前口上
その1
その2


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『巨人族の逆襲』第6回:その2

ネタバレ注意!
このレポートは「シルヴァー・クロークス戦記 巨人族の逆襲」を遊んだものです。
まだ遊んでない方はこの先はお読みにならないほうがよいと思われます。



























 どれだけしごかれたのか、生傷だらけになって――まあ一晩も寝れば治るだろうが――村長の屋敷から戻ってきたザンギエフを連れ、急ぎアージェントに飛んだ。
 着くと、発つ前から時々は響いていた、砦の魔法障壁に岩のぶつかる音が、それこそひっきりなしに響きわたっている。巨人たちの攻勢が激しくなっているのですかと訊くとその通りだとオバナー(どこかから飛び出してきて、慌ただしくガーディアンズ・タワーめざして駆けていくところだった)は走りながら答えた。この攻勢に魔法障壁は耐えられるのですかと重ねて訊くと、いやもう危ない、何カ所か破られたとオバナーはいっそう足を早めながら叫んでよこした。仰天して後を追った。

 ガーディアンズ・タワーに駆け上ると、オバナーは自信の身体の胸を開き、中から歯車だの鎖だのその他あれこれの装置をつぎつぎと取り出し、塔の中にびっしり組み上げられた魔法装置にあれこれとつないでいるところだった。
 「連中の投石の衝撃でついに装置のいくつかが故障したのです。ご安心を、すぐに直します、が、」
 砦の北側、本来なら空を道とする人々のための門としてしつらえられていた張り出しの障壁が完全に破られ、現在、石の門がむき出しになっているという。ほかにも危ないところはいくつかあるが、そこはウルリクやガーリン、それにトリアンが当たっているということもあり、あの張り出しの対処がもっとも急を要する、このままでは魔法障壁を張り直す前に門が物理的に破られてしまう、これまでも障壁の隙間を抜けて潜入してきた連中はいたが、ああやって大門が破られればひとたまりもない。

 それ以上は言葉を待たずに私たちは走り出した。
 ザンギエフと私が北の張り出し門の前に来ると、そこにはパラディグーム卿とオーケストラが居た。アシュレイは他に回したという。

 アージェントの北側は断崖絶壁になっており、翼ある種族の面々は、専らそこに設けられた張り出しから出入りしていた、だが今は招かざる客が押し掛けてきているというわけだ。
 悠々と我が物顔に空を舞うロック鳥の群。見れば、おお、その背には巨人どもがうちまたがり、門が破られるのを今か今かと待ちかまえている。まさに巨人族の空挺部隊、あんなものになだれ込まれたらただでは済まない。
 が、今は連中の身体の巨大さが私たちに味方している。あの巨体を乗せて飛べるのはロック鳥ぐらい、そうしてロック鳥は形ばかり大きくて曲芸飛行には向かぬのだ。宙に浮いてその場にとどまっていることはできず、ということはさほど大型の客人を迎え入れるようには作られていない張り出しに乗り込んでこられる巨人の数は限られるのである。先遣隊さえ潰してしまえば、後はオバナーが魔法障壁を張ってくれるだろう。

 というわけで私は城壁に上り、ロック鳥に見つからないように気をつけながらあたりを伺った。
 倒さねばならないのは巨人が3人、うち1人は呪い師。それにロック鳥が一羽。

 まずロック鳥の翼を魔法で縛り、そうしておいて巨人どもを片づける。最初、門のなかに1人ずつおびき寄せては門を閉ざし、押し包んで殴り殺そうという話もでたが、なにしろあの巨体である、殺しきれないうちに内と外から門を破ろうとでもされてはたまらない。一気に門を開いて打ってでようということになった。私だけは城壁の上に残り、そこから鳥なり巨人なりを狙い討つという寸法。

 ザンギエフとパラディグーム卿が身構えたところで、オーケストラが門を開け放った。早すぎる。腹の中だけで舌打ちした。秘術の呪文は紡ぎあげるまでに時間がかかるのだ。言わないことではない。私の呪文が完成する前に、真っ先に飛び出したザンギエフが飛来したロック鳥に上空につかみあげられ、張り出しの上にたたきつけられた。張り出しの外まで連れ去られなかったのがまだしもの幸いだった。張り出しは断崖絶壁から突きだしているのだ。巨人どもが倒れたザンギエフめがけて棍棒を振り下ろし始めたところでようやっと呪文が完成した。いきなり翼を硬直させられたロック鳥はザンギエフ同様に空から張り出しにたたきつけられた。張り出しの外に放り出してやれなかったのが残念ではあった。

 鳥に再び舞い上がられてはやっかいだ。皆して巨人の棍棒をかいくぐりながら、まずロック鳥を片づけにかかった。ザンギエフが打ちかかり、パラディグーム卿の妖法が巨人の目を眩ませては隙を作る。そこにザンギエフが再び打ちかかる。オーケストラはザンギエフの傷をいやし、戦神に祈っては刃の軌跡を予言する。敵の棍棒は明後日の地面を殴るように。ザンギエフの大戦斧は巨人の急所を過たず捉えるように。鳥がどうやら身を起こして再び空に浮き上がりそうになったので、私は再び呪文を唱えた。翼の次は心を縛る。敵の目に映るのは、さっきから自分たちの膝を砕きに飛びかかってくるやっかいな筋肉達磨とは違うひ弱なドワーフが城門からよろめきでてくる光景。思わずそちらにつっこみ、思うさま幻の嗜虐の喜びに浸る。その瞬間、思わずそちらに延びたロック鳥の首をザンギエフの大戦斧がばさりと斬りおとした。そのまま振り抜いた斧の軌跡に巨人の屈めた腰があった。胴体の真ん中からまっぷたつになって巨人は張り出しから落ちていった。

 後には飛ぶ術をなくした呪い師と、巨人がもう1体。オーケストラの祈りが彼らの運を殺ぐ。パラディグーム卿の妖法に惑わされ、目の前の小うるさいドワーフを殴れども手応えがあったと思ったらかえって我が身が斧に削がれ、いい加減巨人どもの頭に血が上ったころを見計らってもう一度呪文を唱えた。総身に知恵の回りかねる巨人はすぐに術にかかり、呪い師をドワーフと間違えて思い切りたたき潰した。いきなり味方に殴られて呪い師は情けない声をあげながらよろよろと後ずさったと思ったらもう死んでいた。これで、さっきから恐るべき呪いをまき散らしては張り出しにいる3人を血塗れにしてきた返礼ができたというわけだ。
 残る1人も3人に押し包まれて斬り殺された。死体を改めると、さすが正規軍に所属しているだけあって追い剥ぎとは異なり、相応のものを蓄えているようだったのですっかりこちらに取って軍資金とした。

 そうこうするうちにガーディアンズ・タワーから白い光がほとばしり、みるみるうちに淡く光る魔法障壁が張り出しを包み込んだ。そうなってもロック鳥にまたがった巨人どもはこちらに再度攻め寄せるでもなく、遠巻きにして時々岩をなげつけてくるだけだった。どうやら急場は凌ぎきったらしかった。


(第6回はこんなところでした)
posted by たきのはら at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 巨人族オンセ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『巨人族の逆襲』第6回:その1

ネタバレ注意!
このレポートは「シルヴァー・クロークス戦記 巨人族の逆襲」を遊んだものです。
まだ遊んでない方はこの先はお読みにならないほうがよいと思われます。


























 調子に乗りすぎた死霊術師を表紙の騎士団に引き渡し、図書館に詰めている面々にあれこれと調べものを頼んだ後、魔法学院を後にした。
 本来ならばすぐにアージェントに引き返すところではあるが、ザンギエフがどうしても自分の里に立ち寄り、1日逗留したいという。
 「あの女を片づけるのも1日かけずに済んだのだし、1日引き返すのが遅れたといっても、世界はまだ持ちこたえてくれるじゃろう。儂はどうでも1日里に逗留せにゃならん」
 訊けば、エイヴォンとの戦いでザンギエフは自分の技に足りないところを悟ったらしい。だからそれを補うために里に戻り、村長に教えを請うのだという。

 「だがそれには相応の謝礼を差し上げねばならぬのじゃが」
 手持ちが不足しているという。ちょうどその場にいたのは私だけだったので、以前オーケストラに用立ててもらった儀式の諸費用を返すのを少しばかり遅らせることにし、今度は私がザンギエフに村長への謝礼を用立てた。何でも新たに習うつもりの技というのは、敵の目の前でも気取られることなく一息にふた足ぶん走り抜ける技だという。この筋肉達磨がさらにすさまじい勢いで走り回るとなれば私たちの戦力はどれだけ大きくなることか。そういうことであればオーケストラも嫌とは言わないだろう。

 というわけで他の面々はアージェントに帰し、ザンギエフを連れてその里に飛んだ。
 ザンギエフに負けず劣らずな髭面の筋肉達磨がひしめいていた。どうだ見事じゃろう、しかも儂はこの連中の中でもっとも美しい筋肉の持ち主とたたえられていたのだとザンギエフは自慢げに言った。それはすばらしいと私は上の空で答え、この光景をあのエイヴォン女史に見せたらそれだけで衝撃のあまり死んでしまうだろうなどと考えていた。

 ザンギエフが村長の屋敷に行ってしまうと、私は1日暇になった。することもないので村内を見て回っていると、まだ若い筋肉達磨(というにはまだ少し筋肉が足りない)たちが木斧や木刀を構え、奇声をあげながら地面に横たえた丸太をひっきりなしにぶん殴っているところに来かかった。見ていると、少し筋肉の乗った達磨が寄ってきて、彼らはまだ半人前なのでこうして鍛錬をしているのだと説明してくれた。

 資源の豊富とはいえない寒村のことである。自分たちが生き抜くための取り分は自分で守らねばならない。そのため、この村では近隣の村々とのお付き合い(と称するド突き合い)ができるようになって初めて一人前と見なされる。そして水争いなどの話し合いの場では髭面の筋肉達磨たちが一列に並んで奇声、もとい気勢を上げて武人としての礼を尽くした後、頭上に大戦斧を振りかぶって突進する。そうして振り下ろした一の斧が当たれば気合いを注入する、もしそれを外したならいったん下がって再度気勢をあげて突進、第二の一の斧(決して二の斧ではない)を喰らわすのだそうだ。
 突進する前に必ず気勢をあげるのが礼であり技のはじめでもある、そうすることで相手は気を殺がれ手はふるえ足は萎え、たやすく我々が斧をぶちかませるようになるのである、これは我らの村の風習であり伝統である、というようなことを件の筋肉達磨は熱心に語った。

 たいそう感心し、謹んでその場を辞去し、ザンギエフが戻ってくるまでおとなしくしていた。


このシーンの裏側。
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『巨人族の逆襲』第6回:前口上、及びレベルアップの裏側

 レポートは随分遅れましたが第6回、遊ぶ方はしっかり遊んでおりました。
 全員、経験点としては前回から13レベルになっているのですが、前々回欠席、前回途中参加のオーケストラのみレベルアップ処理がまだ。というわけで……

オーケストラ:「えーと、自分、Essentialクレリックなんだけど、『信仰の書』から新しいパワー選んでもいい?」
DM:「構いませんよー」
オ:「……じゃあ、今回オーケストラは新しい技を覚えてきた。その名も”タコ殴り”」
私:「はぁ? 私そんな訳語つけた覚えありませんッ」

 ……『信仰の書』は、そりゃあもう気合いを入れて、聖書の翻訳を3バージョンぐらいアタマにたたき込んで、ない時間を絞り出すようにしてきっちり調査して、信仰篤き人たちにふさわしくなるように訳語を選んだというのに”タコ殴り”とか言われたら黙っちゃいません。パワーの内容的にはタコ殴りこそがわかりやすいとか言われても聞こえませんとも。
 あ、ちなみにオーケストラが覚えてきた新技はRemorse(悔恨)。……まぁ、確かに内容的にはタコ殴りでもいいんだけど……そんなこと言ってたら相当数のパワー名がタコ殴りになっちゃうので却下。

 ちなみにコード信仰の一宗派である、オーケストラの属する麗治宗心握門(愛の諸相によって戦い、ウォーモンガーを輩出するのだとかなんとか……)ではこの祈祷の名を”失恋嵐”と称するとかなんとか(知らんがな)。

 一方でザンギエフも魔法のアイテム相当の奥儀を修得するのに平行して、特技のひとつをシングル・アウトに入れ替え。前回のレベルアップ処理の時に入れ替えていた、という、時間をさかのぼった処理をしているのですが、こちらについての詳細は関係する本文の裏側にて。
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2011年07月28日

隙間時間オンセの会『巨人族の逆襲』第5回:目次

ネタバレ注意!!
このレポートは『シルヴァー・クロークス戦記 巨人族の逆襲』を遊んだものです。
まだ遊んでいない方はリンク先にはいらっしゃらないほうがよいと思います。


というわけで、第5回のプレイレポートです。
7月23日(土)22:00〜27:30
ちょうど区切りのいいところまで頑張ったので、今回はちょっと長めのセッションでした。

前口上の裏側にはエラッタ情報を掲載しています。
DM予定のある方は見ていただければと思います。

前口上(エラッタ情報あり)
その1
その2
その3

posted by たきのはら at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 巨人族オンセ・目次 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『巨人族の逆襲』第5回:その3

ネタバレ注意!!
このレポートは『シルヴァー・クロークス戦記 巨人族の逆襲』を遊んだものです。
まだ遊んでいない方はこの先はお読みにならないほうがよいと思われます。




























 そうしてついに最上階に出た。
 最上階はなんと、天井のない雨ざらし、そして壁にもいくつも溝……というよりは、人ひとり簡単に放り出せるだけの掃き出し窓ふうの開口部がいくつも設けられている。
 そうして建物本体の屋上部からさらに小塔がせり出しており、本体と小塔とは手すりのない細い通路でつながっている。さらにその通路にはびっしりとルーンが刻まれ、ふるえるように明滅しているのだ。剣呑なことこの上ない。

 そうして、エイヴォンは小塔の一番奥に据えられた天球儀の前に立ち、真紅の瞳でひたとこちらを見据えていた。
 「死なずにここまで来たのね。ならばひとつ褒美をあげましょう。今すぐこの塔から身を投げなさい。そうしたら私がじきじきにおまえたちの肉体を私の配下に加えてあげる」
 「断る」
 「でもおまえたちに勝ち目はないのよ。ここで私の魔法に苛まれて苦しんで死ぬのとここから飛んで一瞬で死ぬのとでは、早く済ませた方がいいでしょう?」
 血の色をした花びらのような唇の端がきゅっとつり上がる。
 「断る。そもそも貴様には私たちは倒せぬのだからな」
 アシュレイがエイヴォンと舌戦を繰り広げている間に、私たちは周囲を見回し戦場の足場を確かめる。螺旋階段の踊り場を埋める石畳のそこここには足を絡め取る魔法がかけられ、そうして渡り廊下に彫り込まれたルーンは力場の檻を紡ぎあげている。そうして小塔に描かれた魔法円は……あれは召喚の儀式の焦点か。

 「考えていても始まらない、参ります!」
 最初に声をあげたのはオーケストラだった。
 「待って、あのルーンの渡り廊下はまだ……」
 「どんな罠かなど、踏み込んでみれば自ずから明らかとなります!」
 自らの声にはじかれたように駆けだしたオーケストラの足は、渡り廊下に踏み込んだ瞬間に止まる。細い肩がのし掛かる重圧に歪む。が、
 「なんのこれしき……!」
 振り向いてオーケストラは叫ぶ。この場所に踏み込めば足は重くなり身体は押しひしがれる、魔法も外には届かなくなる。まぁ、そうはいっても魔法の仕掛けにすぎないから、見るものが見れば仕掛けの“掛けがねを外す”のはたやすいでしょう。でもそれは私の仕事ではありませんので後はお願いします、私はこの、かりそめの美しさに心を惑わされ真に尊ぶべきものを忘れた女に、我が神の愛をもって真の愛というものを思い知らせてやります。

 結局私を除く4人は、エイヴォンの邪法にいっときは塔の縁まで追いつめられたりしながらも渡り廊下を押し渡っていた。私はというと、塔の壁にしっかりと身を隠しておいて、エイヴォンが魔法円から呼び出す化け物を、でてくる端から魔法の矢で吹き飛ばしながら様子をうかがっていた。彼女の唇の動きから呪文を読み取り、何かわかったなら大声を上げれば仲間たちに危険を知らせられる――そう思っていたのだが。

 「……遅い。命あるものの血潮はぬくみがあるだけ鈍いのね。動きなさんな。そのまま立ち止まっていればほんの一瞬の痛みだけでもう死の園に逝けたのに。思い上がった愚かな連中」
 今にも血を滴らせんばかりに赤い唇がぬらりと動き、白い細い指が中空に鋭く印形を刻む。と、エイヴォンの身体が急に歪んだ。違う、彼女の周囲の時空が歪んでいるのだ。自分の周囲だけ時の流れの密度を上げ、誰よりも早く動く魔法――だが。
 「そいつはこっちの3倍早く動いてる、でもたったの3倍です、こっちには4人いるもの、勝ち目はこちらに」
 わざわざ叫んだのがばかばかしくなるような勢いでザンギエフとアシュレイがエイヴォンに打ちかかっていた。女死霊術師から吹き出す死の冷気はパラディグーム卿が全身で受け止め、そしてオーケストラが高らかに叫ぶ。
 「生死をもてあそぶものよ、そなたの凶運は決し勝利の機運は我らに微笑んだ。生きるも死ぬもならずこの世の縁にとどまり続けるがいい!」
 冷たく整ったエイヴォンの頬が引き攣れる。もう一度、時が歪む――が、それまで。

 「殺すなよ」
 打ちかかるザンギエフを見ながら、アシュレイがあざ笑うかのように言った。
 「エイヴォン。殺されたらリッチになるからいい――そう思っているのだろう? だったら無駄だ」
 「そうです、リッチになったら今度こそ完全に葬り去るまで……」
 詰め寄りかけるオーケストラをアシュレイが押さえ
 「そこまではしない。答えは、今から生殺しにするから、だ。ザンギエフ、頼む」

 私は、少しだけ、エイヴォンに同情した。
 醜くて乱暴で愚かしいおまえたち、この私を追いつめたつもりか、いざとなればいつでもこの喉を掻き切って、と大見得を切りつつ、のけぞらせた細い首筋に真っ赤に染めて尖らせた爪を押し当て、凄艶な笑みを浮かべかけたエイヴォンは、その一瞬後、こともあろうにザンギエフにつかみかかられ、おそらくは身の危険に怯えるのとは別種のものであろう恐怖の叫びを上げながら締め落とされたのだ。

 ……まぁ、生きていれば筋肉達磨に締め落とされた悪夢を忘れられる日も来るだろう。気を失った耳にそうささやいてやると、私たちはエイヴォンを縛り上げ、栞の騎士アラムから預かってきた口枷を填めた。こうすればもう呪文を唱えることも人の血をすすることもできまい。

 こうして私たちは調子に乗りすぎた死霊術師を懲らしめ、マルドゥーング魔法学院の全面的な支援とスカイメタルの分与を得るに至ったのだった。『帝国史』も学院が買い取ってくれるというし、エイヴォンの塔で見つけた魔法の品々も
 「この女に持っていてもらっても困りますから」
 ということで私たちが持っていって良いことになった。

 というわけで私たちはひとまず仕事を終え、調べもののつても確保して、アージェントに戻ることになったのだった。


(第5回はこんなところでした)

このシーンの裏側あるいは本当にあったこと。
posted by たきのはら at 21:20| Comment(5) | TrackBack(0) | 巨人族オンセ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『巨人族の逆襲』第5回:その2

ネタバレ注意!!
このレポートは『シルヴァー・クロークス戦記 巨人族の逆襲』を遊んだものです。
まだ遊んでいない方はこの先はお読みにならないほうがよいと思われます。


























 すると部屋の反対側はさらに大変なことになっていた。どうやら書架の後ろに隠し部屋がありそうなのを誰かが見つけたらしい。というわけでザンギエフが本棚をひっつかんで揺さぶるとばりばりという音とともに本棚ごと壁がめくれ、その奥にはなかなか良い職人の手になると思われる彫像が5つ、6つ。

 「中身は入ってないな」
 つい先頃まで石像の中に封印されていたアシュレイにとっては人ごとではないのだろう。像を調べているその背後で、
 「おお、こいつはまさに儂のほしかった角兜じゃあ!」
 ザンギエフが歓喜の叫び声をあげる。
 どうやらこの彫像、美術品としての目的ついでに、実際の武具のしまい場所ともなっていたようで――いや、それともお気に入りの彫像にとっておきの魔法の武具をまとわせ武器を持たせて悦に入っていたのかもしれない、あの女ならありそうなことだ、と思っていると、
 「おや。こんなところで会うとは」
 ぽつりとアシュレイがつぶやいた。見ると、石像のひとつを懐かしげに見上げている。そうしてその石像の身につけた衣服や鎧はアシュレイが現にまとっているものとそっくりなのだ。
 「あなたの仲間なの?」

 「仲間……だった。良い男であったよ。もうこの中に命はない……が」
 その像が手にしている剣は石を彫ったものではない。それをアシュレイはそっと手に取った。
 「この剣、引き継いでもよい……な?」
 「おお、それはずいぶんとよきものでござるよ」
 いつのまにかパラディグーム卿が傍に立っていた。
 「試しに打ち振ってみるとよろしかろう――おお、今までの剣もよきものでござったが、失礼ながらその剣を手にするとしないとでは別人のよう。古きお仲間の持ち物であったと言うならなおのこと、その剣を引き継ぎ、アージェントをより一層よく守るがよろしかろう」
 それまで少しためらっているふうのアシュレイだったが、パラディグーム卿の言葉に力を得たかのように頷き、石造の帯びていた剣を佩いた。そうして代わりにそれまで手にしていた剣を像の手に握らせる。旧帝国の防衛兵士は本来なら皆この剣を支給されていたのだが、私はたまたま対元素戦の最中、その戦いに特化した雷の剣を手にしていたときに動作不良を起こして封印された。これまでの剣も決して悪いものではない……が、本来の我が身に合った剣のほうが好ましい。
 問わず語りにそうつぶやきながら、アシュレイはもう一度石像を見遣った。
 「大事に使わせてもらうぞ」

 ザンギエフにアシュレイ、そうしてパラディグームもそこで自分に合った武具を手に入れたが、魔術師の彫像はなかったので私が使うようなものは手に入らなかった。もちろん図書室の中で収穫があったのでそれについてはいっこうにかまわなかったのだが、彫像たちの整いすぎるぐらい整った目鼻立ちを見ていると、なんとなくエイヴォンの考えていることの想像がついてうんざりしてきたので、先を急ごうと言った。もちろん否やはなかった。

 ここから先、上へと続く階段は、塔の内側をぐるりと巡る螺旋階段になり、手すりのない階段のすぐ脇は塔の下まで続く吹き抜けになっている。危なっかしく思っていると、やはり踊り場の床から人の背丈ほどもある棘が飛び出してきた。しかもそれにはたっぷりと毒が塗りこめてあった。これは危ないというのでその先をためつすがめつすると、仕掛けらしき溝が床に刻まれている場所がいくつかあったので、取って返し、エイヴォンの彫像コレクションを引きずってきて罠らしき床に転がした。案の定床だの壁だのから棘が飛び出し、像はひとつのこらず砕けて吹き抜けに落ちていった。あれこれとすっかり片づいてしまったので、古き英雄(や、その彫像)たちに挙手の礼を贈ってから心安らかにさらに上を目指した。

 階段はいっそう細くなり、道の途中に仕掛けられた罠はさらに巧妙なものとなった。魔法仕掛けのからくりを見抜き、時には扉を蹴破りながら先頭を行くアシュレイについて、私たちは上っていった。途中階段から骨の腕が伸びてきて足首に深々とひっかき傷をつけてよこすのを切り払ったりしながら、私はなんとなく心細い気分になっていた。どうも私の命の火の燃料は随分使い潰されてきているのではないか。エイヴォンを見かけても真っ正面から歩み寄って頬を平手打ちするのはやめておこう。やってみたかったのだが。

 魔法で封じられた扉をアシュレイが焼き払うと、そこから12階に上る階段は、壁も足下もすっかり組み合わされた骨でできていた。踏むとそれはかすかに軋みながら砕けた。飲み込まれた足首を引き抜こうとすると、骨はさらに軋み、それはまるで呪詛をつぶやいているかに聞こえた。天井から白々と骨が垂れ下がり、揺れていた。それはあり得ざる長さの腕で、私たちが間合いに入った瞬間つかみかかってきた。眉ひとつ動かさずにアシュレイは新しく手に入れた長剣を構え、低く気合いを発した。剣先の空間が揺らめいたかと思うと目の前の骨は砕けた。天井から、壁から降り注ぐ骨の雨を私たちは声もなく見ていた。幻だと思いたかったが――幻の技を得意とする私にはわかる――これは紛れもなく本物の骨だ。

 骨の雨がすっかり吹き抜けの下に落ちていってしまうと、何の変哲もない石の壁と天井、そして階段がむき出しになる。悪趣味きわまりない階段を私たちは一気に駆け上った。


このシーンの裏側。
posted by たきのはら at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 巨人族オンセ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『巨人族の逆襲』第5回:その1

ネタバレ注意!!
このレポートは『シルヴァー・クロークス戦記 巨人族の逆襲』を遊んだものです。
まだ遊んでいない方はこの先はお読みにならないほうがよいと思われます。



























 エイヴォンの第一の研究室をもうひとわたり見回すと、崩れ落ちたボーンクローが背にしていた壁にもうひとつ扉が見えた。開けると廊下が左右に続いていて、廊下を挟んだ正面に仰々しい両開きの扉が見えた。エイヴォンの頭文字Eを意匠化した飾り彫りがあるところをみると、ここはあの女の居室かと思ったが、扉には鍵も罠もなかった。アシュレイが蹴飛ばすと扉は開いた。

 そこは図書室だった。天井までの作り付けの本棚には書物がぎっしりと詰め込まれ、並んだ長机の上には広げられた羊皮紙、そしてなにやら大仰な模型。
 アシュレイとザンギエフはずかずかと室内に踏み込んだ。そうして机の上を見て肩をすくめた。羊皮紙に記されていたのは、死者の大軍勢の指揮系統図、そうして模型はというとどうやらこの塔のものらしい。
 「あの女、塔に閉じこめられて出られないものだから、自由の身になったらこれだけのことをしてやるぞとせっせと計画を立てていたのだな。だとしたらこの模型はきっと……」
 調べれば敵や罠の配置がすっかりわかるに違いない、と、アシュレイがかすかに唇を引き上げながら模型に手を伸ばそうとした……が、一瞬遅い。
 「魔法の禍々しいものではないようだな……? なら、よし!」
 ザンギエフが長机を蹴飛ばした勢いで精巧な模型は床に雪崩落ち、バラバラになって飛び散った。

 ああ、調べようと思ったのに……まあいい、どうせ罠があって死人帰りが出ることだけは調べずともわかっている。そうアシュレイがつぶやいたとき、私はふと異様な音に気づいた。奥の長机の下から、からからに乾いた骨を軽く打ち合わせるような連続音がかすかに漏れてくるような……

 「あれを!」
 覗き込むと同時に私は叫んでいた。ボーン・ナーガ――骨の蛇。知の番人たる賢き蛇ナーガの命を身体ごと昏き死の影に汚したもの。その乾いた骨が揺れ、触れ合って発するカラカラというかすかな音は、周囲に死の気配を振りまき、生命の躍動を鈍らせる。
 まだ怪しいものはいないか――そう思ってもう一度見れば、書架の間に据えられた悪趣味な燭台とばかり思っていた髑髏も、偽りの命を与えられた悪魔のしゃれこうべ、死の炎を無限に吹き出す化け物ではないか。そういうとアシュレイがかすかに唇をゆがめ、笑った。
 「図書室に炎使いとはな、舐めたまねを。では、望みどおり書物ごとすっかり焼き払ってくれる」

 いや、その前に私たちが火傷をしないように守りの呪を紡いでおいたほうが、と言いかけたときには、既に戦端は切られていた。喉も破れよとばかりの雄叫びをあげながら、ザンギエフが骨の蛇めがけて突っ込んだのだ。
 カラカラと心乱す骨の旋律を、大戦斧の唸りがかき消す。刃の軌跡は鋭い弧を描き、規則正しく並んだ蛇の肋骨に斜めから斬り込んだ。うねりくねる背骨から次々と骨が弾け飛ぶ。身体の右半分を削がれ、振り抜いた勢いでほっそりとした尾までを一気に斬り飛ばされ、さしもの骨の蛇もがらりとその場に身を横たえ、ばたばたとのたうった。
 「ほう、蛇でも倒れるのか」
 しばらくぶりの確かな手応えに、ほとんど歯を剥きださんばかりにしてにやりと笑いながらザンギエフは言った。そこにすかさずパラディグーム卿の声。
 「妖法切所(せっしょ)――無上光の加護あり申す! 今こそ打たれよ、強く!」
 その声にはじかれたようにザンギエフ、再び斧をふるう。さらに蛇の骨が砕け散る。
 「まだ終わらん、妖法狂い風! わははは!」
 卿が声高らかに叫び笑い、そうすると卿のかざした槍から吹き出す風がびょうびょうと荒れ狂って敵の牙の前に身をさらしたままのザンギエフをついとその場から運び去る。

 もちろん蛇だの悪趣味な燭台だのも黙ってはいない。半身になった骨の蛇からは墓場の毒気が吹き出し、悪魔の髑髏が大口を開いた瞬間、その場には地獄の業火が荒れ狂う。そこまで来てからようやっと私は守りの呪を紡ぎあげ――一瞬ためらったが、思い切って図書室の中に踏み込むと呪文の最後の音節を口にした。これで全員、なまじっかな炎には火ぶくれひとつできないどころか、熱いとすら思わなくなる。さて、後は安全そうな場所に退却すればいい。なにしろ魔法の使い手は他の連中と違って繊細なのだ。こんなやかましく危なっかしい部屋に長居は無用。

 と思った瞬間、部屋の外で高笑いがこだました。エイヴォンが勝ち誇って笑った――のではない、もっと凶悪な響きを帯びたそれは、なんとアージェントに残ったはずのオーケストラのもの。どうやって転移門を使いこなしたか、それからあの面倒そうな門番や表紙の騎士団をどう納得させたのか、一瞬考えかけたが途中でやめた。そんなことでいちいち気を回さなくとも、味方は多いほうがいいに決まっている。それに今この時点での彼女の登場は非常にありがたかった。何しろ高笑いの直後、私の背後の空間が歪み、書物の詰まった書架ごと壁をすり抜けるようにして、半ば透き通った剣を構えた亡霊が出現したのだから。

 オーケストラが来た以上は司祭のそばにいるのが安全というものだろう、と、部屋の奥に走り込んでしまってから私はずいぶん後悔した。なにしろ悪趣味な燭台も剣持つ亡霊も、傍に誰がいようとお構いなしに私をつけねらうのだ。骨の蛇だけは魔法でその場に釘付けにしておいたので私を追いかけてくることもなく、長机の陰でのたうち回りながらザンギエフの斧できれいに三枚に下ろされた挙げ句アシュレイの大剣で止めを刺されたのでまだよかったが、とにかくこのままでは亡霊に取り殺されて私まで亡霊になってしまう。死人の手にさえかからなければ死んでも私がなんとかしますとオーケストラが心強いことを言うので、私は思いきって悪魔の髑髏の目の前に飛び出した。ここなら死人も追って来まい。奴だって地獄の炎に巻き込まれるのは嫌に違いない。

 もちろん待っていたとばかりに二つ並んだ髑髏はがばりと口を開け、炎を吹き出した。断末魔の声をあげたのは私ではなく、巻き込まれたザンギエフだった。骨の蛇との戦いで相応に傷を負っていたのだ。その声に重なるようにオーケストラが高らかに蘇りの祈祷を唱えた。崩れ落ちかけた膝が床に着かないうちに、ザンギエフはその喉から雄叫びをほとばしらせながら大戦斧を握り直し、床を蹴っていた。脇を突進する肉弾の勢いに私が思わずぐらついた瞬間、その私の背中を大剣が掠めていった。アシュレイが剣を投げたのだ。雷の剣をまともに喰らって半ば崩れかけた髑髏の前に、飛来する剣に追いついたかのようにアシュレイが出現、髑髏の左目に突き立った剣の柄を握り締めた途端、蒼白い雷撃が刃を走る。たまらず髑髏は爆裂四散し、その勢いでザンギエフの斧に半ば砕かれかけていたもうひとつの髑髏も完全に砕け散った――その場ではただ次々と焦げて砕け散る髑髏を呆然と見ていただけだったが、後で問うとアシュレイはこともなげにこんなことを言った。
 「ああ、あれか。
 私に埋め込まれた“雷素の心臓”を起動し、剣を雷に変えて投げつけた。それから空間を捻じ曲げて剣を追い、剣を媒体として周囲に電撃を放った。それでもまだあの気違い髑髏の機能は喪失していなさそうだったからもう一度雷撃を叩きこんで黒焦げにした……一瞬でこれだけやるのはいかに私でも堪える、こればっかりは1度つかったらその日のうちに2度はできない」
 その場で敵を片付けるのはこの連中に任せて、私は図書室に引きこもって儀式書だのなんだのの準備に専念するほうがよさそうだ、魔術師というのは繊細な存在なのだから、戦場に出る前にその仕事の半分以上は済ませておくべきに違いない。そう、つくづく思った。思ってしまってから、これがかの安楽椅子冒険者アルブレヒトの好む言い回しで、そして私はことあるごとにそれを鼻で笑っていたことを思い出して少しばかりうんざりした。
 が、まあ、役割というのはあるものなのだ。事実は仕方あるまい。

 ともあれ、その場はそんなふうにして、骨の蛇は動かぬ骨の山になり、悪魔の髑髏は黒焦げになって崩れ去って燭台の役にも立たなくなった。そして、
 「あとは私が片づけます。我が神の愛によって」
 片づけるという言葉と愛という言葉を結びつけてよいものか思わず問いたくなったが、とにかく亡霊に背後をうろつかれるのも困る。オーケストラの宣言をありがたく拝聴して、私は亡霊の目の届かなそうなところに引っ込んだ。

 その後、私たち以外に動くもののなくなった図書室を丹念に調べた。書物はちゃんとした魔術師ならこれぐらいは持っていて当然というものばかりで、つまりわざわざ持ち出す価値もないものがほとんどだったが、1冊だけ、『帝国史』なる稀覯本が見つかった。ひょっとしたらここの図書館のものかもしれないから、読み終えたら表紙の騎士たちにどうすべきか尋ねようと思いながら荷物の中にしまい込んだ。また、机の引き出しには儀式の巻物が3本ばかりあったのでこれも預かることにした。なんとなくこそ泥をしている気分になったが、まぁあの女は学院の魔術師たちをずいぶんと殺したのだしその罪でこれから封印されるのだから、ここにある資源は世界の守りの足しになるように私たちが使うほうが品物も活きるというものであると自分に言い聞かせて荷物をまとめ直し、立ち上がった。


このシーンの裏側。
posted by たきのはら at 20:10| Comment(6) | TrackBack(0) | 巨人族オンセ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月24日

『巨人族の逆襲』第5回:前口上、及び重要なエラッタ

 というわけで今週も遊びました。
 台風の置き土産の冷たい空気のおかげで過ごし易く、そんなわけで今回は早めにレポートを書き出しています。

 毎回、前口上は基本的に私(や他のメンツ)の与太話で、ネタバレはないように書いてるんですが、今回ちょっとネタバレあり。

 遊んでて見つけた重要なエラッタについて、“前口上の裏側”の下の方に書いてありますので、DMの方、今後DMする予定の方はチェックしてください。
 なお、HJさんへのエラッタ報告についてはD16氏のほうでやってくれてるとのこと。

 あと、今回の描写については「敵は強く、かっこよく、美しく表現するように」と、遊んでる最中と終わってからの感想戦とであわせて10回以上言われております。
 というわけで今回は表側がリプレイ小説、裏側がプレイレポートというような様相を呈しておりますので、裏表合わせてお楽しみくださいませ。


前口上の裏側(エラッタ情報、DM向け)
posted by たきのはら at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 巨人族オンセ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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