2011年04月28日

AGS 記事「CBT的アプローチのセッション運営」は取り下げられるべきであると考えます

 岡和田晃氏の主催するAnalog Game Studiesにこの度掲載された、伏見健二氏による論考「CBT的アプローチのセッション運営」は、精神医療や児童教育に関して著しい誤解を生じさせ、病者との関わりをあらゆる関係者にとって危険なものとしかねません。よって、表題の論考は早急に取り下げられ、掲載には不適切な内容を含んでいた旨をAGS側から言明されるべきものと考えます。理由は次に述べるとおりです。


・医療類似行為を一般に応用可能であるかのように紹介してはならない

・病者との関わりにおいて、専門知識を有しない場合に有用なのは、基礎知識ではなく受容の態度であるが、知識の重要性ばかりが説かれている

・病者との関わりに言及する文章に、誤読の余地を許容してはならないが、表題の論は誤読の余地が多々ある

・病名や疾患メカニズム、および対応技術の安易な記載は、不適切な診断的行為、医療類似行為を招きうる

・相手をコントロールしようとする態度への警戒を含まずに知識や技術のみが記載されている。あまつさえそのような態度を取ることを示唆するような構成になっている

・最終段落は「系統的な訓練を受けなくても“上手いゲーマー”となることで病者に有益な環境を提供できる可能性があるからそうしろ」と読める

 

 なお、この件についての反論などに関しましては、私信等でなく、AGSサイト内等、公開の場所での正式な形でお願いいたします。

 私は現在、D&D関連テキストの翻訳者としてゲームに関わっておりますが、一方で大学に勤務し、薬学系研究者・教育者として医療および教育に携わってもおります。臨床の医療チームや店頭の薬剤師の先生方と情報交換しつつ学生を教えている立場として、表題の論は公開するにはあまりに乱暴で危険なものであると判断しております。

 以下はそれぞれの“理由”に関する説明です。お時間とご興味のある方はお読みいただければ幸いです。

追記:

 2011年5月1日、AGSに表題の論考への対論として、医師である早瀬以蔵氏による「私がTRPGをセラピーとして使わない理由」が掲載されました。よって、本反論文末尾の当方の文言の一部は取り消させていただきます。
 ただし、ことが人の心身に関わるものである以上、他者の論を援用するのでなく、AGS主宰自身の言葉で今回の一件へのお考えを伺いたく存じます。

取り下げるべきと考える理由について
posted by たきのはら at 17:11| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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