2009年03月22日

第4回『関守峠の番人は』目次

 というわけで第4回。
 今回は表側に物語の流れと詳細な戦闘記録、裏側には今回のレポーター、なおなみさんの個人的戦闘感想、という仕立てです。

 ……う。やっぱり頑張って戦闘記録がっつり書いたほうがいいかなぁ、というのはやっぱり思いました。戦略・戦術をきちんと聞きなおすことで次回以降にも生かせるし……

 まぁアレだ、物語はとっとと書いて、裏側に後からラウンド形式で記録ってのもあるよね。次回からデジカメ画像導入計画もあるし。

 なお、今回は音声記録いただき次第、そちらから物語を起こして、裏側のほうに追記予定です。追記したらその旨をこのエントリに記載しますので、その際は見てやっていただけると幸いですm(_ _)m

 というわけで目次ー。

前口上

その1:星に導かれし者
その2:新たな腕利き
その3:峠ふたたび
その4:死者の狂宴
その5:番人の正体
その6:番人と眷属
その7:新たな英雄、新たな脅威


業務連絡
posted by たきのはら at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | レポート目次(猛き大陸) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠の番人は』その7:新たな英雄、新たな脅威

 奥の部屋にはプールがあり中に死体が浮いている。どうやらここは死霊術系の遺跡だったようだ。いつごろのものかは調べてみないと解らないが、遺跡そのものは昔からありそれをコボルトが再開発した感じ。ズローエフの求めていたものとは少し違うようだ。先ほど捕虜にした竜司祭曰く

 「夢で見たドラゴンの影の信託に従い、獣の力を得てここにやってきた人間達を追い払えば獣の女王の庇護はお前達のものになるであろう。という声を信じ、この地にコボルト帝国を作るつもりだった」

 とのこと。前回のリザードフォークの時といい、共通するのは夢での信託と獣の女王というフレーズが気になる。それぞれ以下のことについて調べてみる。

この遺跡について
・この遺跡は暗黒大陸が発見される前のもの。年代までは不明。
・前回の遺跡とは異なり、これは人間の作った遺跡。

獣の女王について
・南の竜王の別名。南の竜とは、雌の竜でありとあらゆる怪物を生み出したといわれている。そのうちのひとつが獣の女王。
 原初のキマイラやマンティコアを生み出したといわれている。
・この暗黒大陸では、南の竜の影響が強いといわれていた。
・一番出来のいい子供はドラゴンだった。そのためドラゴンの眷属に信託が行くのは自然な流れ?

ワイトの妖術師・蛇の舌教団については解らずじまいだった。

 ブラックドラゴンの翼だの牙だのウロコだのを剥ぎ取り、道中何事もなくドンゴ村に帰ってきた。
 えっちらおっちらブラックドラゴンの頭蓋骨を運び帰還した一行を見て、村長が

 「あんたたちを見込んで正解だったよ。まさかここまで凄いことやってくれるとは思ってなかった!」
 「ムーンちゃん!今回新しく入ってくれた二人はとっても有能じゃよー。ズローエフさんとねアーバイン」
 「おお!そこの彼と…ド、ドラウ!?」
 「あら、腕は確かですわよ」

 明らかにアーバインを見て後ずさりするが、横でニコニコしているエミアスをひっぱり

 「え、エミアスのじいさま。だって、ドラウですよ。信用できるんですか」
 「ムーンちゃん。わしら生きて帰ってきとるじゃないか。なんも心配いらんよ」
 「う…。何か問題があったら出て行ってもらいますからね。責任はあなた達で取ってくださいよ!
 それと、軍師様への説得は任せましたよ!」
 「あーーー、スパーちゃんか(汗 なんて言うかのう」

 エラドリンとドラウについては、暗くて深い溝があると言うが…
 頭の痛いところではある。

 「あと、あなた達がちゃんと面倒みてくれるんですよね?」
 「大丈夫ですわ。手荒なことはしないよういい含めますので」
 「住まいについては、私が木の上にでも小屋を作るから大丈夫ですよ」

 と、スズランが請け負う。
 何で木の上なんかで暮らさにゃならんのだ。という彼のつぶやきはもっともだが、

 「まあ、根のエルフ形式の家は作れないしのう」
 「わ。わかりました。とりあえず村人達に機嫌を損ねないようには言いますので」
 「うん。よろしく頼むよ。あ、そうそう。ドラウって何食べるのかわからんのじゃよ」
 「……おい、ふざけているのか」
 「ま、まさかドラウというのは…」
 「そう、人の肉を食べるんだよ。というのは冗だ…!」

 ゴインと鈍い音がし、無言でスズランが伸びていた。
 ともあれ戦力も増え、村の新しい城壁にブラックドラゴンの頭蓋骨が燦然と輝くさまは、まるで英雄がいる村のようじゃないかと村人は高揚したが、頭蓋骨を持ってきた当の本人達は、ドラゴンが近くにきたら急いで隠さないとね。という一抹の不安を残しつつ今日もドンゴ村の日が暮れていった。
posted by たきのはら at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠の番人は』その6:番人と眷属

 全員がやはりか…と言う顔になったが、寝ているというのは好機といえば好機。

 「でも、私達の本来の目的はコボルトを掃討することですわよね」
 「しかし、このドラゴンのせいでコボルトがわらわら集まっているのだろう?」
 「ほおっておけば、同じことか。永久にその横穴をふさげるならそうするが、無理だろう」

 扉の奥というのがアンデッドを作っている巣であろうから、どちらかと戦闘しているうちに挟み撃ちになることは確実だろう。どちらと戦闘している内に挟み撃ちになるのががましかと考えると、先制攻撃できるブラックドラゴンから行こうということになった。

 しかし全員で隠密行動をするには、どうにも無理があるのではないかと気づく(スズランのプレートメイルとか)
 やはり隠密行動に長けたケナフ・アーバインが先行し、両方の様子を見て来る事になる。

 再び奥の扉をアーバインが先行し聞き耳すると、ぶつぶつとこの間コボルトが話していたのと似ている言葉が聞こえる。(話しているのは竜語ですが、アーバインは竜語を話せないためこのような表記になっています)
 トリモチなど音を立てずに扉を固定できれば、挟み撃ちの時間が稼げただろうが無い物はしかたがない。挟み撃ちは覚悟で、不意打ちできるブラックドラゴンにケナフ・アーバインの二人が挟撃位置まで隠密行動し、先制攻撃の一打目を叩き込んだら、全員全力移動という段取りの元、戦闘開始
      
マップ:中央に膝まで浸かる深さの水溜りがあり、そこにブラックドラゴンが寝ている。(水溜りは移動に2マス掛かる。シフトは2マスシフト能力を持っていれば可能)
敵:ブラックドラゴン*1 
イニシアティブ:ケナフ23 エミアス20 Bドラゴン18 アーバイン13*1 スズラン13*2 ズローエフ10 アーニャ4   
戦闘:
不意打ちR アーバイン、トリックストライクでの攻撃は不発。その代わり遭遇が終わるまでアーバインの攻撃がヒットするたび目標を望むように1マス動かすことが出来る。アクションポイントを使いピアッシングストライク。対象が寝ているので「とどめの一撃」効果でクリティカル扱い。対象を1マスずらし水から引きずり出す。

1R目 ケナフ、アーバインと挟撃位置につきツインストライクでクリティカル。片方の武器の攻撃が外れた瞬間、Bドラゴンの尻尾が鞭のようにうなりダメージと1マス後退。
 エミアス移動のみ、
 Bドラゴン 翼を広げドラゴンの咆哮(対意志)アーバイン・ケナフ朦朧化する。アクションポイントを使い、アーバインに両方の爪でひっかき攻撃。シフトし挟撃位置をはずす。
 アーバイン、朦朧化中行動不能。
 スズラン、疾走し戦線に到着。Bドラゴンをマークする。
 ズローエフ、移動し奥の扉のあるほうに松明をなげる。(現在明かりはケナフ手元と、枝分かれした通路の足元にある松明)
 アーニャ 移動のみ。
 後続組はブレスを警戒して、細い通路から視線を微妙にはずした位置取りになる。

2R目 ケナフ、朦朧化中行動不能。
 エミアス、ランスオブフェイスで攻撃命中、スズランの攻撃ロールに+2
 Bドラゴン、5マス噴射ブレス(対反応)ケナフ・アーバイン・スズラン・エミアス回避、移動して行動終了。(行動終了時、ケナフ・アーバインの朦朧化解ける。命中判定−2はセーブで解除可能)
 アーバイン攻撃不発。(命中判定のセーブ失敗) 
 スズラン、Bドラゴンをマークしアクションポイントを使いレイディアント・デリリウム使用(対反応)突撃不発。ダメージ半減でBドラゴンに幻惑状態(スズランのターン頭まで攻撃が1行動のみになる。)シールディングスマイトでの攻撃ははずれ。ケナフにディヴァイン・メトルで+4修正つきセービングスローを与える(命中判定のセーブ成功。マイナスなくなる)
 ズローエフ、移動して呪いドレッドフル・ワードで攻撃成功。Bドラゴンダメだしされる。アクションポイント使いエルドリッチブラストでの攻撃ははずれ。
 アーニャ、正確さのワンド起動。アクションポイントを使いアイシー・テレイン(命中+11)冷気攻撃と伏せ状態になる。(戦闘的優位状態。命中判定+2)続いて、レイオブフロストがクリティカル。ダメージと減速状態(移動速度2)がさらにプラスされる。
 現在Bドラゴンについている効果は「減速」「伏せ」「幻惑」「マーク(スズラン)」「呪い(ズローエフ)」

3R目 ケナフ、挟撃位置に移動し攻撃(挟撃の効果は累積しない)命中した攻撃でBドラゴン重傷状態突入。
 Bドラゴン割り込みでブレス吐く。スズラン、アーニャ、アーバインが対象。アーバインにダメージ(酸ブレスは通常のダメージと継続ダメージが入りACが4悪くなる)
 エミアス、シールド・オブ・フェイスで全員のACを+2した後、アーバインにヒーリングワードでHP全快。
 Bドラゴン、立ち上がるで行動終了。
 アーバイン、攻撃不発。(命中判定のセーブ失敗)
 スズラン、シフト後アイバイトで攻撃。
 ズローエフ、エルドリッチブラストでの攻撃不発。
 アーニャ、スコーチングバーストで攻撃。アーニャ終了時、通路奥で扉が開く音がする。
 コボルト*3竜司祭*1が増援として、移動開始。

イニシアティブ:ケナフ23 エミアス20 Bドラゴン18 アーバイン13*1 スズラン13*2 ズローエフ10 アーニャ4 増援3
 
4R目 ケナフ、攻撃クリティカル2回目。
 エミアス、増援の方へ移動しランスオブフェイス不発。
 Bドラゴン、アーバインに攻撃。アクションポイントを使い周囲2マスが暗闇になる。
 アーバイン、クラウドオブダークネス発動(まっくら返し)によりBドラゴンもアーバインを見ることができなくなる。完全遮蔽のまま攻撃(命中-5)ははずれ。(命中判定のセーブ成功。マイナスなくなる)スズラン、挟撃位置だったであろう場所まで移動(今回、判断力難易度13で場所を覚えていたと処理)シールドオブプロテクション発動(次ターン頭まで+5のダメージ減少)
 ズローエフ、通路側に移動。アーニャ、Bドラゴンのいたエリアにスコーチングバーストは不発。
 コボルト*1・竜司祭*1移動、
 コボルト*1移動シフトしてアーニャに攻撃はずれ。 
 コボルト*1移動してアーニャに酸の玉を吐くが不発。

5R目 ケナフ、攻撃クリティカル3回目。Bドラゴンかなりダメージいってる感じ。
 エミアス通路のコボルト*1に対しランスオブフェイスでの攻撃クリティカル。攻撃ロール+2アーニャに。
 Bドラゴン、完全遮蔽状態でブレスを吐くが不発。Bドラゴンの発生した暗闇が解ける。
 アーバインの攻撃命中。アーバインの発生した暗闇が解ける。
 スズラン、攻撃するも不発。Bドラゴンの尻尾攻撃は鎧にはじかれる。レイオンハンドでアーバイン回復。
 ズローエフ、移動してエルドリッチブラスト不発。
 アーニャ、通路に向かってサンダーウェブ(対頑健)コボルト*2にダメージと3マス後退。コボルト*2重傷状態。シフトして行動終了。
 竜司祭*1モラルチェックをしコボルトのHPが5点上昇する。移動してブレス。アーニャとエミアス対頑健は回避したので、ダメージ半減
 コボルト*1移動し攻撃はずれ。

6R目 ケナフ、攻撃クリティカル4回目。Bドラゴン、コボルト・竜司祭の目の前でズゥンと切り伏せられる。
 戦意喪失したコボルトを掃討し、竜司祭は話を聞くため捕虜とする。戦闘終了

戦利品:Bドラゴンの身体(色々な魔法材料が取れる。部位についての詳細は後日、マスターから説明)
 260gp(古金貨)300sp(銀貨)ヒーリングポーション*2 オグルパワーガントレット*1(1日1回攻撃ヒット時にダメージ+5筋力・運動判定+1)
                
個人的戦闘感想(byなおなみ)
posted by たきのはら at 17:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠の番人は』その5:番人の正体

 このゾンビやらワイトは、新たにアンデッドを作成する儀式で再び出てきているのではないか。と解ったが、制覇したところには儀式めいた部屋がなかったことから奥を目指す。始めの部屋に戻り、右側の扉を知覚の高いケナフ・エミアスが聞き耳するが特に物音は聞こえない。アーニャに拾った小石にライトを掛けて貰いケナフ・アーバインが隠密で先の通路を探索。

 その後も、警戒しながら進むが前回の最終到達地点までは敵もでなかった。大広間をぬけた先に木製の扉がある。
 罠らしきものはないがドアノブが腐食していることに気づく。錆びているというよりは、酸で溶かされたようにただれている。錬金術的なものか、モンスターの体液的なものか不明だが、いまもドアノブにこびり付いている。
 
 この跡から探索すると足跡らしきものがあることがわかる。どうやら大型の4足獣の濡れた足跡のようだ。この情報から思い当たる事はないか考えていたアーニャの血の気が引く。

 「エミアスさん。この間倒した竜司祭、あれ酸を吐いてましたわよね」
 「ああ、たしか吐いておった…が。まさかのう」
 「私が知るところだと、コボルトというものは若いドラゴンを神様として崇め、ドラゴンの血に目覚めるものもあると聞いたことがあるんだが。つまりあなたの予想ではこの足跡はドラゴンのものではないかということか?」
 「私が思いつく可能性のひとつとして…ですけれども。ドラゴンだとしたら酸を吐くものはブラッグドラゴンですわね」

 とアーニャがつぶやき、どのような能力があるのか説明する。やっかいなのは、命が危険に曝されるとブレス袋が最充填しその場でブレスを吐くことと、周囲に暗闇を生み出し、生み出した本人以外のすべての視線を遮ることか。

 「雇い主、これは明らかに我々のもらえる報酬に見合うものではないと思うが」
 「ま、確かにのう。しかし、どうなっているのか位はきちんと知っておきたいのう」

 なんにせよ偵察だけはしようということになり、少し離れたところで我関せずといった感じのアーバインに、

 「とりあえず余り問題はないということになったので、ちょっと見て来てくれないか?」
 「ああ。まったく問題ない」
 「ただ、酸のブレスを吐くやつには気をつけろ。羽はあるかもしれないがここは地下だから余り気にすることもないだろう」
 「三本のかぎ爪にも気をつけたほうがいいな」
 「あとはーいきなり闇が発生して見えなくなるかもしれないが、それはドラウも馴染みがあるだろうし大丈夫だろ」
 「…ということがあるかもしれませんので用心なさって下さいね」
 「まあ、危なそうじゃったら全員で逃げるしかないんで早く戻ってくるんじゃぞ」

 口々に言われる言葉に口を挟もうとしたが、つかつかとケナフがアーバインに歩み寄り、

 「今まで出しゃばって悪かった。やはり斥候は本職がやるべきだ」

 この言葉で何を言っても無駄だと悟ったのか、気配を消し扉の奥に消えていった。

 扉を開けると酸の臭いが鼻についた。所々湿気が満ちていて、自然洞窟に近くなっている。広い通路が続き、左手に枝分かれした自然洞窟の入り口があって、一部の岩があちこちこすれており地面には黒いウロコが散らばっていた。
 周りの岩の崩れ具合からしても、ドラゴンが入るにはずいぶん狭い通路を無理矢理通っているらしい。
 奥を見ると、広い空間が見え湿気が増している。

 これは元からあった洞窟と塔の地下が掘り進めるうちに繋がったと考えるのが自然か。
 広い通路を先に進むと扉が見え行き止まりになっていた。再び戻り、狭い通路の奥からはかすかに寝息が聞こえるのを確認し、元の場所に戻った。開口一番、

 「この奥にはブラックドラゴンがいる。そして奴は今寝ている」
posted by たきのはら at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠の番人は』その4:死者の狂宴

 オーク・コボルトのゾンビミニオンが発生していることから、前回倒した死体を操る竜司祭以外にもまだ奥に操れるのがいたのやもなあ。ということになり部屋を片っ端から調べようということになる。

 まず二つの扉を調べたところ、扉側にいたズローエフ・アーバイン・アーニャが両方の扉の向こうで音がしたことに気づく。
 音は先ほどの何かを引きずるような音のようだとの事。
 とりあえず奥の扉をピトンで打ちつけ、階段を下りた扉から入ることになる。ズローエフが松明にで明かりをつけ、階段下の踊り場に投げ入れる。扉を開け、戦闘開始。

マップ:目の前に机があり机近くにワイト*2、左側の柱側にゾンビ*3。柱側はゆるいスロープで上に続き、先ほどピトンを打ち付けた扉に繋がっている。
敵:原住民のワイト*2(前回倒したものっぽい)ゾンビ*3
イニシアティブ:ズローエフ19*1 ワイト19*2 エミアス13 スズラン12 アーバイン11*1 ケナフ11*2 アーニャ3 ゾンビ0
戦闘:
1R目 ワイトの顔むき出し攻撃(噴射5対意志セーブ)ケナフ・ズローエフ・スズランに、それぞれダメージと後ろへ3マス後退。
 スズラン・アーバイン・ケナフが攻撃するも、ワイトはACが結構高いので(AC19位?)有効なダメージが与えられない。
 ワイトは墓場の矢(対反応)をスズランに使う。ダメージとその場で動けなくなる効果(セービングスローで解除可D20で10以上)

2R目 エミアスはゾンビ*3にターンアンデット2体命中ダメージと4マス後退させ、アクションポイント使いセイクリッドフレイムを命中させ、スズランにセービングスローを与える(スズランセーブ成功。動けなくなる効果が消える)ワイトに攻撃されるとヒーリングサージを1回消費される。
 ケナフの攻撃でワイト*1重傷状態。
 アーニャは敵がばらけたので範囲攻撃が出来ず単体攻撃に切り替え。今回、全体的に出目がけっこー悪い。

3R目 ズローエフ前に出て怒涛のアクション発動するも不発。
 ワイトの攻撃、ズローエフに墓場の矢を使い動けなくする。
 エミアス、ケナフをヒーリングワードで回復後シフトしてビーコンオブホープを発動。ゾンビ*3ワイト*1を弱体化したのち、範囲内の味方回復。
 スズラン、ディヴァイン・メトルでズローエフに+4修正つきセービングスローを与える(ズローエフセーブ成功。動けなくなる効果が消える)
 アーバイン、ゾンビ*1を攻撃した後、爆発2マスのクラウドオブダークネス展開(範囲内の敵盲目になる効果:ドラウ能力)
 アーニャ、アシッドアローで範囲攻撃ゾンビ*1倒す。敵行動終了時に継続ダメージが入る。アクションポイントで再度攻撃。スコーチングバーストでゾンビ*1を倒し、もう1体のゾンビも瀕死状態。

4R目 ズローエフがワイトの非常に恥ずかしい過去をクリティカルにさらけ出し、ワイト*1憤死。(ドレッドフル・ワードですね(汗)
 ワイトの攻撃でケナフ重傷状態に。セカンドチャンスで相殺しようとするが、やはり重傷状態のまま。
 エミアス、ケナフを回復した後ワイト*1にランス・オブ・フェイス命中、ワイト*1重傷状態になる。スズラン、ワイト*1にアイバイトした後ケナフにレイオンハンド。これでケナフのダメージ完治。
 ケナフとアーバインが挟撃しワイト*1倒す。
 アーニャのスコーチングバーストでゾンビ*1も倒れる。 戦闘終了
        
戦利品:アミュレット*2(100gp相当)        

個人的戦闘感想(byなおなみ)
posted by たきのはら at 16:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠の番人は』その3:峠ふたたび

 前に探索した時から4日ぶりに件の塔に着いた。その間にもコボルトは殺ってもOKだけど、オーガは利用価値があるので殺るのはちょっと待てだ! など

 「根のエルフ(一度親しみをこめて「根っこちゃん」と呼んだら非常にイヤな顔をされ「人を変な名前で呼ぶな」と怒られた)はなんでそんなに香ばしいのだろうなあ」

 と思いつつ、ざっと前回こんな敵が出て、最終到着点までのおおまかな説明をして塔に入って行った。

 階段を降りた部屋は以前と同じ場所に金属片のガラクタがあり特に変化なし。左右に木製扉が一つずつあり、左の扉をケナフ・アーバイン・スズランが調べ 少し離れたところでアーニャが待機。ズローエフ・エミアスが右の扉を警戒。
 左扉を探る様子に、何かを見るに耐えなくなったアーバインが聞き耳したところ

 「死体を袋に放り込んで引きずっているような音がするな」

 とのこと。隊列を整え扉を開け、戦闘開始。

マップ:開けた扉手前にオーク・コボルトのゾンビミニオン*8。右手に下へ降りる階段とちょっとした踊り場があり、奥に扉、ゾンビミニオンの後ろにゾンビ*3。奥まった所に短い通路があり扉に続いている。
敵:オーク・コボルトのゾンビミニオン*8(この間の死体を元に作られている)ゾンビ*3
イニシアティブ:アーバイン26 エミアス22 アーニャ21 ズローエフ20 ケナフ16 スズラン9 敵7 
戦闘:イニシアティブが早かったのが幸いし、アーニャやエミアスの範囲攻撃(スコーチングバーストやターンアンデット)でミニオンを減らし、残りを叩いて2Rで掃討完了。


個人的戦闘感想(byなおなみ)
posted by たきのはら at 16:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠の番人は』その2:新たな腕利き

 前回からドンゴ村に戻ってきた一行。前々回の攻城戦から町の復興はちゃくちゃくと進み、今日も労働の汗を流したーと酒場権集会場に入ってくると、先にケナフが街気分が抜けない感じでくだを巻いてたりする。
 お互いに情報交換し、その見張り塔は最深部に何があるかちゃんと調べておいたほうがいいのでは、と話していると猫人間のニャーがエミアスを手招きし、

 「オキャクさん、キタ。おじーニャン、ハナシ、スル」

 とズローエフを引き合わせられる。(村長ムーンストラックはどうやら不在らしい)
 彼の話を聞くに食客志望ということ。腕に覚えもありそうなので、現在の村の状況を考えると願ったりかなったりーなのだが、

 「私が知るところによると、あなた方はどうやら古の星の巨人なるものを起動させた云々と戦ったとのことだが」
 とか
 「私の出来ること…、うむ。このようなことが出来る」
 といって手からエルドリッチ・ブラストをぶっ放す彼の言動等に一抹の不安をよぎりながらも、報酬は現物支給ということで先ほどの見張り塔の探索に同行して貰うこととなった。

 一方アーバインは夜に村の周りをうろうろしていた所、パトロール中のスズランがアーバインを見つけ、何か花粉症のようにエルフの血が「こいつなんかやな感じ」と拒否反応を示しているが

「よお、一杯どうだろう」

 と話しかけた。<…のが8時間前の話なのだが、どうも今まで平行線のまま話し合い?が続いていた模様
 いい加減疲れたのか、スズランが酒場にアーバインを引きずってくるのと、見張り塔の遺跡に行くならスズランにも手伝って貰おうと席を立ったのが同じ頃。酒場の外から騒がしい声がするので、外に注意を向けると

 「ドラウだ!ドラウが来た!」「黒エルフだ、黒エルフだ」

 という声を物ともせずスズランとアーバインが酒場にやってくる。
 ざわつく民衆にこのままでは収集がつかないと、アーニャが我々の知り合いであることを話すが、身内をドラウに連れて行かれたものもおり怒りは収まらない。民衆の何人かが

 「俺のじいちゃんは、俺のじいちゃんはお前らに連れて行かれたんだ!」

 と、くさったトマトをアーバインに投げつけるが、とっさにスズランが庇う(注:この庇う行動はスズランの1日毎パワー「マーターズ・ブレッシング」です。隣接した仲間が攻撃を受けるとき、使用者に攻撃がヒットするってやつ)。
 スズランに当てるつもりはなかった村人は、ばつが悪そうに、あんたに当てるつもりはなかったんだと口ごもるが、にっこり笑いそのままアーバインをつれ酒場に入り、

 「まあ、彼だって酒を飲みたいときもありますよ。マスター、ビールをくれ」

 とかけつけ一杯。どうもスズランは8時間かけてアーバインがどうして地上に出てきたのか聞き出した模様。
 村人の何人かは文句を言いたそうにしていたけれども、村の実力者が連れてきた人材だし、そんなことを言っていたらここのならず者の何人かは悪事に手を染めてるんだしなあと一応納得はしたが、相変わらず白い目で見られている。
 
 これ以上村にいて反感を買うより、(平たく言えばアーバインが何か不穏当な発言をしないうちに)とっとと出発してしまったほうがいいのでは?とは思うが、流石に報酬が現地の物のみというのも心もとないという段になって、先ほどの猫人間のニャーが、見張り塔が前の遺跡のようにややこしいことになっているのなら、村長が戻ったら後で現物支給で物が手に入るようにしておくとの事。そのやり取りを聞き、

 「金が出るのか」
 「正確には金ではなくその価値に見合う別のものだったりすることがほとんどじゃよ?」

 というエミアスの言葉を受けて、ニャーが街道の安全を確保したりするためにこういう荒事が出来る人がいるのは助かるんですよとかいつまんで説明。

 「ああ、なんだ。こんな仕事で金が手に入るのか」

 と彼の中ではコボルト=金ががっちり結びついた様子に、ケナフの

 「これは、なんだろうな。里に下りて来た獣が農作物の味を覚えるのに似ているな。一度覚えると楽なほうに楽なほうにいくんだよな」

 という的確なたとえはともかく、一向は早々に村を出て見張り塔の遺跡に行くことになった。

posted by たきのはら at 16:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠の番人は』その1:星に導かれし者

 南の大陸を訪れるものは多い。開拓者として。あるいは既知の地に居場所を失い、新天地を求めて。
 この男もその一人である。
 

ウラジミール・ズローエフ 32才 人間 男 身長180cm 魅力ベースウォーロック 
10人兄弟の末弟 

 10人兄弟で貧しかったので
 「お前は食い詰めもんだから、出て行け」
 とおん出されて、外で一生懸命働いていたある日、星の啓示を受け
 「おお、私はこれに目覚めなければー」
 と思いウォーロックの道に入った大変素直な方。

 新天地を求めて暗黒大陸にやって来た、そうな。開拓地をまわるキャラバンの一行と一緒に進み、一番近い村にはそろそろ着くがどうするね? と聞かれ、食客で雇ってくれ(今なら家も一軒無料で貸して貰えるとか)そうなドンゴ村で降ろしてもらう。
 彼はこの間村で攻城戦をした事情を詳しく得ており、この大陸に来た理由のひとつでもあるようだ。

 村に着くとキャラバンでも話題になっていた柵の向こうの瓦礫の山『星』の巨人の死体を検分。瓦礫から星の巨人の身体を構成していた魔力抽出物「レシディウム」の気配を感じ
 「紛れもなくこれは星の物。こんなものがあるところに私は来ていいのだろうか」
 と思いながらも路銀もないしなと村の門をくぐる事となった。
posted by たきのはら at 16:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第4回『関守峠の番人は』前口上

 というわけで『猛き大陸』第4回でございます。
 今回はたきのはらは所要につきセッションに参加しておりませんで、レポーターはなおなみさん。たきのはらは編集だけやっております。

 物語についてはこれから音声聞いて書き足そうと思っているのですが……間に合わなければ、次回に物語ダイジェスト載せるとか、新キャラクターについては自PCが初めてまともに会った時のあれこれを混ぜて物語を書き足すとかするかも。とにかくぼーっとしてるとあっと言う間に次のセッション日が来るのが前回でいやというほど判ったので。

 というわけで今回の参加PCは以下の通り。

[今回のキャラクター]
・ウラジミール・ズローエフ/星ウォーロック/人間男
・アーニャ/ウィザード/人間女
・スズラン/パラディン/ハーフエルフ男
・ケナフ/レンジャー/ハーフリング男
・アーバイン/ローグ/ドラウ男
・エミアス/クレリック/エルフ男

[お休みキャラ]
・ビエント
・ファイアスパー
・ロウィーナ

なお、お休みキャラについては次回、マジックアイテム1コと共に再戦なので自分で何していたか演出して登場…ということで。

※なお、いただいたレポートには誰が何をやっているか明記されていたのですが、以前から“あまりにもあまりなので誰が何をやっているかは伏せる”ってことになってたので、編集責任で伏せさせていただきました。

※あと、今回はPCの口調が割と編集かかってないというかPL口調寄りなので、いつものとは違うかも。適宜修正していいと言われたのですが、せっかくなのでそのまま載せます。そのへんはレポーターの個性ということでお楽しみいただければと思います。
posted by たきのはら at 16:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月15日

第3回『関守峠始末記』目次

 長かった、難産だった、というよりは、忙しくて書く時間がなかなか取れなかったせいで、第4回セッション当日の朝に目次とか書いてます。これ、要は気合が足りなかったってことか^^;;;

 でもまぁ、メモ+音声記録でだいたいのレポは書ける事がわかったのはよかったかな。ただ、今回みたいにマップが立体になってくると、文章では書きづらいというか冗長になる部分がどうしても出てくるのもわかった、というのがなんだかなぁ。最後の部屋については構造がちょっと文章で書くには面倒だったので、だいぶ端折ったところもあり。

 やっぱり写真画像の導入もそろそろ考えたいところです。

 というわけで第3回『関守峠始末記』目次ー。

前口上

その1:根の国から来た男
その2:山向こうへの使い
その3:“夜の拳”を追って
その4:塔の中の虜囚
その5:地底の民と
その6:思わぬ先客
その7:コボルドの巣


業務連絡。
posted by たきのはら at 09:22| Comment(1) | TrackBack(0) | レポート目次(猛き大陸) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠始末記』その7:コボルドの巣

 戦いの口火を切ったのはアーバインだった。走りこむや否や手裏剣を飛ばす。一方、入り口近くではアーニャとロウィーナが敵の足元を氷付けにしたり敵の命がこの場で終わることを祈ったりと忙しい。走りこんでいくビエントの剣に神の導きを祈りながら、一方、エミアスは柱の後ろで震えているオークの傷を癒してやり、隙を見て逃げるように、と言う。

 張り出しの上に立ったスリング使いを片付けるのはたやすいかと思ったが、奥のほうから甲高い喚き声がしたかと思うと、竜鱗盾を持ったコボルドが2体駆け出してくる。そして張り出しの上に切られた出入り口から、コボルドの竜司祭までが顔を出した。

 が、だだっ広い空間でさえなければ、高さも酷い障害にはあまりならない。高所から攻撃されるのは確かにやっかいではあったが、こちらも負けてはいない。ビエントの剣から不思議な光がほとばしり、コボルドの手足に絡み付いて張り出しから引きずり落とそうとする。アーニャは氷と炎を自在に操ってコボルドどもの身動きをとれなくし、エミアスの祈りがビエントとアーバインの刃に力を与える。挙句、呪っておいたスリング兵が落ちて死んだ勢いで張り出しの上に飛び乗ったロウィーナは、何とか竜司祭を突き落とそうとする。

 竜鱗盾のコボルドのうち1体がビエントとアーバインの挟み撃ちにあって斬り殺され、竜司祭も張り出しからなぎ払われそうになるのを危うくしがみついて耐えているのを見た盾持ちコボルドの生き残りは、くるりときびすを返すやととっとと逃げ帰った。それを見た竜司祭も、追っ手を振り払うように現れた出入り口から逃げ去った。

 となってしまうと、このまま深追いも危険である。何しろ今張り出しの上にいるのはロウィーナだけなのだ。

 「片付いたか?」

 胴間声を張り上げて、オークの頭領が顔を出した。

 「片付いた。仲間も無事だ」
 「では、さっさと先に行け」

 なんとも性急な。呆れてみているうちにオークどもはわらわらと入ってきて、張り出しまで登らせろという。何であたしたちがあんたたちのためにそんなことしてやらなきゃならないのとぶつくさ言いながらロウィーナが投げ上げられたロープを適当な場所にくくりつけてやると、オークどもは一行の他の4人を先に追い上げた後、数珠繋ぎになってロープをよじ登り始める。

 見る見るうちに張り出しの上も下もオークでぎっしり詰まり、どうやらろくに探りもいれられないまま進まざるを得ないような感じになった。

 それでもできる限り注意深く、竜司祭の消えた廊下へと進む。
 そこは下へのスロープになっていて、がらんとだだっ広いだけの部屋に出た。出入り口の真上の壁には(鬱陶しいことに)また張り出しがめぐらされ、そして隣の部屋に築かれたバリケードの後ろに盾持ちのコボルドが3体頑張っているのが短い廊下越しに見える。竜司祭の姿はまだない。

 アーバインの手裏剣が飛ぶのがまた口火を切った。
 瞬く間にバリケードの後ろのコボルド1体が倒れた。張り出しの上に顔を出した竜司祭は、前に詰めてきた男たちに口から酸を吐きかけたりもしたが、その傷はエミアスがすぐさま癒してしまう。じきに張り出しの上の竜司祭が倒れ、残るは竜鱗盾のコボルド2体のみ。

 1体はアーバインが呼び寄せた暗闇の中で斬り殺された。
 1体はアーニャの招いた魔法の眠りに取り込まれ、動けなくなっているところを捕らえられた。

 取り上げられた剣が、自分の倒したコボルドの腰に下がっているのがアーバインの目に入った。さっさと剣帯を締めなおすと、当初の目的は果たした、さて、じゃあもう俺は行く、と言いかけて振り向く。と、背後には山ほどのオークが詰まっていた。

 「捕虜を取ったのか」

 オークの頭領は一行をじろりと見、その後、縛られて転がっているコボルドをねめつけてそう言った。

 「とりあえずこの先の状況でも聞くかね」

 ビエントが言うと、コボルドは

 「こ、この先はボスの部屋だ。でもそこに行くには罠がいっぱい仕掛けてあって、知らなきゃ途中で死ぬぞ!!」

 まぁ、罠があってもなくてもそう言うでしょうねえ、と、アーニャがつぶやいた瞬間、オークの頭領がつかつかと歩み寄ってきて斧を振り上げるや否や、コボルドの頭を叩き割った。

 「聞いたとおりだ。お前ら、先に行って罠を外して来い」

 ……さすがに一行、顔を見合わせた。

 「ふむ、そろそろ目に余るな」
 「性格が悪くてお行儀がなってないだけだと思っていたんだけど」
 「そんなわけがあるかい、わしらは舐められてるんじゃろうなあ」
 「そろそろこの人たちともことを構えなければなりませんかしら」
 「……何故やらんのだ」

 一触即発、となった瞬間、ぱあん、と乾いた音が響き渡った。ロウィーナが尻尾で岩壁をたたきつけたのだ。

 「いい加減にしなさいよいつまでもぐだぐだぐだぐだと!! あたしたちがいつあんたらの手下になったのさ!? あんたらに言われたから仕方なくコボルドを退治してやったとでも思い上がってるの!?」

 あまりの豹変ぶりに気圧されたか、頭領、たじたじと後ずさる。

 「な、何が言いたい」
 「出てって。手下ごと出てって」

 口の中で何かもごもごと言いかけ、飲み込むと、頭領は手下どもを見回し「引き上げるぞ!」とひとこと。

 追いかけるように
 
 「あと、ダンガ村とはこれまでどおり上手くやっていくのよ、でなきゃまたあたしたちが手を煩わさなきゃならないから!」

 と叫んだのには、さすがに

 「それは俺たちが決めることだ!」

 と帰して寄越す。
 ……が、とにかく、邪魔者は消えうせた。

 後は――引き上げるか、それともこの先をさぐるか。
 とりあえずは一息入れて、考えねばなるまい。

このシーンの裏側。
posted by たきのはら at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠始末記』その6:思わぬ先客

 ともかく声のするほうに急ぐ。行き着いた廊下の先は大きく開けてはいたが、部屋の中にはとんでもない先客がいた。

 部屋の出入り口近くにはオークの死体がバリケード様に積み上げられ、その傍を2頭のハイイロオオカミが番犬よろしくうろついている。
 部屋の奥には折り重なるように倒れたコボルドとオークの死体。そして、その部屋からさらに奥に続くらしき出入り口にも、これはオークどもばかりがひしめきあっている。

 「通してもらわなきゃいかんのだがなあ」
 「……押し通るか?」
 「待って。私が話をしてみる」

 これ、本当はスズランがいてくれれば心強いのだけれど。つぶやくとロウィーナは深呼吸をひとつ。そして、奥のほうへ呼びかけた。

 「あの、奥の方たち……お話させていただくわけにはいきませんかしら?」

 表情と声の豹変っぷりを、ビエントはどこかで見知っている気がした。そして、学生だったころ、酒場の娘が朋輩同士、店の裏手でひとしきり客の棚卸しをしてから店に戻るときの顔つきにそっくりなのだと思い至り、思い出せねばよかったとちらりと思った。

 「何だ? お前らは」
 「私たち、この奥に用があって来たのです。お邪魔はしませんわ……通していただくわけには行きませんでしょうか?」

 頭領はいぶかしげにロウィーナとその周囲の面々の顔を見ていたが、よし、こっちに来い、といって狼を引き下がらせた。ありがとうございます、とロウィーナは軽く会釈すると中に入っていく。その隣にアーバイン。人を言いくるめてのけようというときにティーフリングとドラウが先頭に立って入るというのもたいがいだが、まぁ、相手はオークだ。

 交渉は半分だけ上手くいった。
 つまり、一行はオークたちよりも先に塔の中を進み、探し物(とりあえずアーバインの剣を横から攫われたのではかなわない)をするぶんには構わない、ということになった。が、それはオーク一行の目的にもある意味かなうことなのだから、オークの頭領も一緒に来て欲しいというのは言下に退けられた。オークたちは、つまり、一行がコボルドどもを片付けた後に乗り込もうという算段らしい。

 「いいからさっさと行け。それから中にひとり出られなくなっている。奴を救い出して来い」

 待ってください、様子を知りもせず飛び込むわけには参りませんの。それに後半はあなたがたの都合ですわね、人にものを頼むのに随分なもの言いではありませんこと?――さすがのロウィーナも最後までは言えなかった。

 ともかくオークたちが入れずにいた部屋の中を覗き込んでみると、中には柱が2本、それに入り口のちょうど向かい側の壁の中ほどに張り出しが取り付けられていて、その上にコボルドのスリング使いが3体ばかり頑張っている。そして、柱の一本の影には傷だらけのオーク。どうやら逃げ遅れて、どうにか柱の影には隠れられたものの、身動きしようものならスリング3つの的になるので動くに動けないらしい。

 さて、どうするかと考えたが、何、こちらには飛び道具がないこともない。しかも後ろがやたら急かしてくる。飛び込んで一気に片をつけ、その隙に下っ端オークを逃がしてやるしかあるまい。


  このシーンの裏側。
posted by たきのはら at 01:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠始末記』その5:地底の民と

 倒れたワイトの身体を、アーバインはすばやく改めた。……が、剣はなさそうだ。もう一度調べてないようなら、どうやらコボルドどもが持っていったものだろう。だとしたらとっとと剣のありそうなところに殴りこみたいのだが……
 地上人どもはというとワイトの死体(そもそももとから生きてなどいないのだが)を改めるのに忙しいらしい。

 確かに奇妙なワイトだった。もとは……確かに人間なのだが、妙に鼻が扁平で犬歯が長い。こいつの顔立ち、体つきは、学院の蔵書で見た“ユアンティ・ピュアブラッド”、つまり蛇人間の中でも比較的姿かたちの人間に近いものに似ている、とビエントが言った。

 「似ている……けれども、違いますわ」

 注意深く死体をひっくり返していたアーニャが言った。

 「ごらんなさい、この指。妙に長くて、そしてほんのところどころにウロコが見えるでしょう。これはおそらく、蛇神をあがめ、ユアンティに仕え、いつの日か自らも蛇人間になることを夢見る秘密結社、“蛇の舌教団”の特徴と一致していますわ。私も本で読んだだけですけれども」

 遺骸の改めついでに大変な値打ちものの蛇紋岩と翡翠の首飾りを二つ――一方はだいぶ壊れていたが――を手にしてアーニャが顔を上げると、おそろしく不機嫌なふうのアーバインがこちらを見やっていた。

 「あなた、誰?」

 端的に過ぎるロウィーナの問いに答えないのは仕方ないにしても、きちんと名乗ったアーニャにも答えず、アーバインはすたすたと死体のところに歩み寄ると剣を探し、やはりないと知るともう一度すたすたと歩み去って、コボルドどもが出て行った扉の向こうを改めようとする。

 「お待ちなさいな。あなたは――なぜここにいらっしゃいますの?」

 それには答えたくない、と、あからさまに表情が答えているが、むろんアーバインはひとことも発しない。ドラウじゃ、アーニャちゃん、こいつ、ドラウじゃよ。エミアスがひそひそ声で言った。

 「ドラウ? ふーん、ってことは、あの信用ならない魔物なんかをあがめてるっていう?」

 ロウィーナちゃん、そこはあんたの言うところじゃないじゃろう、と、これはエミアスならずとも苦笑するのだが、アーバインはにこりともしない。さすがに悪魔の血を継ぎ、角と尻尾の生えた娘にだけは言われる筋合いのない言葉ではあるだろう。

 「あんた、鍵開けやなんかは得意か?」

 突然ビエントが口を開いた。ああ、できる、と、それには言葉少なく答えるアーバイン。ふむ、それじゃ、とビエントが言いかけたとき、ひぃ、という悲鳴が上がった。
 声の主は、荒事になるから隠れていろと扉の向こうに押しやられていたメンガル村長である。

 「だ、だめだだめだだめだ、そいつはだめだ、そいつはドラウといって地底人で、地上の人間を片っ端から奴隷に取って行っては地下で使い潰す恐ろしい奴らだ!」
 
 そりゃあわかってるんだが……やっぱりそうなのかのぅ、と、遠巻き気味にドラウとメンガル村長を交互に見るエミアス。何しろエミアスにとってドラウなどという存在は炉辺の怪談に出てくるような、いわば化け物で、それが目の前にいると言われても、恐ろしいようなもの珍しいような、何やらピンとは来ないのだ。

 「あんたがた、なんでそんな奴と……」
 「よし、連れて行こう」

 メンガル村長が叫びだした声を遮るように、急にビエントが言った。

 「で、でもそいつ、魔物の一種よ、信用ならないわ……」
 「人間だって嘘ぐらいつくだろう。それにこの男は鍵開けができるんだぞ」

 それもそうだけれど、と口ごもるロウィーナを遮るように、アーニャが進み出た。

 「ビエント、あなたがそういうのも尤もです。……そこのあなた、あなたがどういう目的があるのか知りませんが、私たちに仇なすのがあなたの目的ではないのでしょうね?」
 「……ああ、違うな」
 「そしてあなたもこの崩れた塔の中に用がある」
 「ああ」
 「私たちもなのです。では、取り決めをしましょう。この塔を出るまでは共に戦い、互いに仇なすことはしないと」
 「構わん」

 そこで、当座は5人で共に行くことになった。当然、アーバインの腹積もりとしては、剣が見つかるまではこの4人を利用してやろうということなのだが。

 コボルドどもは南の扉の向こうに行った。俺はコボルドどもに用があるのでそちらに行く。そう、ドラウが言うので、扉の前に山と積んだ瓦礫を退かし、一行は南の部屋へと進んだ。

 南の部屋は北側の部屋と同様に瓦礫の転がる薄暗く薄汚い部屋だった。オークどもの死体や半死体が落ちているわけでもなかったから、ぐるぐる巻きに担がれていた連中はさらにこの奥に運び込まれたのだろう。とりあえず道なりに行くしかない。

 そう言っているとき、にわかに前方が騒がしくなった。
 響いてきたのはオーク語の掛け声や怒号であった。

このシーンの裏側。
posted by たきのはら at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月14日

『関守峠始末記』その4:塔の中の虜囚

 近づいてみたが、先ほどの剣戟の音が嘘のように静まり返っているばかり。
 何かあったらすぐさま逃げるように、とメンガル村長に言うと、一行はアーニャの準備した魔法の明かりの他に陽光棒にも明かりを点し、そろそろと中に入っていった。

 古びた塔の中は、見かけどおり古びて、壊れかかっていた。
 部屋の隅には瓦礫が積み重なり、扉を引き剥がしでもしたのか、砕けた石や折れた板に混ざって、蝶番などの金具や壊れた工具、それに何か大きな機械を叩き壊したらしき歯車のようなものも散らばっている。これが何かの罠で、うっかり近づくと瓦礫や刃物のかけらが飛んでくるのではないかと用心しながらあたりをそろそろと探る。
 ありがたいことに何も起きない。

 塔の玄関の間には、出入り口のほかに北と南に扉がひとつずつ。北の扉は閉ざされ、南の扉は半分開いている。南の扉の向こうに明かりを差し入れ、覗き込んでみたが、誰がいるというふうもない。そこで今度は北の扉の前に行った。一行が息を潜めているうちに、一番耳の良いエミアスが扉に耳を押し当てるようにして向こうの様子をうかがった。

 「何かいるようじゃよ。衣擦れの音がする」
 「何もいなさそうな場所よりは何かいる場所のほうが話が進むだろうな。こっちに行こう」

 ビエントが答えて扉に手をかけようとすると、ロウィーナがそれを押し止めた。

 「開いた扉の奥から何か出てくるかもしれない。挟み撃ちになるのは御免だもの」

 南の扉を閉め、隅の瓦礫をかき集めて扉の前に積み上げる。そうしておいて扉の前にやや遠巻き気味に集まる。
 それぞれが身構えたのを確かめ、ビエントが扉を開けた。途端。
 
 「ゾンビじゃな、しかも戦闘訓練を受けてから死んだか、死んでから戦闘訓練を受けたか、やっかいな連中じゃよ」

 エミアスの声がこわばる。太陽の司祭が胸に下げた聖印を探る暇もなく、

 「死ねばいいのに! ……って、もう、死んでるんだわね。あ、やっぱり死んだか」

 ロウィーナが毒づいた。扉の向こうにはいかにも身なりの良い――が、半ば腐った死体がてんでに武器を構え、うろついている。ロウィーナは視界に飛び込んできた腐れ死体を反射的に呪うやいなや指先から妖光をたたきつけていた。ひとたまりもなく二度目の死を迎えたゾンビの周囲に、ティーフリングの呪いが飛び散った。

 迷える魂を正しい死出の旅路に導くべくエミアスが一歩踏み出そうとする目の前で、ゾンビがもう一体、倒れた。

 他に、誰か、いる。

     *****☆*****

 そのほんのわずかばかり前。
 長い間かかって縄を少しずつ緩め、今では身体をひとゆすりすれば絡みもせずに解け落ちるまでにしたところで、折りよくか折り悪しくか塔の中に入ってきたらしき新たな人声に、アーバインは耳をすませていた。

 なまりのない共通語だ。人間か、それに類するものだろう。どのみちドラウであるアーバインとは親しい間柄にあたるわけもないが、コボルドやオーク、それにゾンビよりははるかにマシだろう。少なくとも今入ってきた連中がここに踏み込んでくれば、ゾンビの注意がそちらへ向く。

 いったん扉の向こうの気配が濃くなり、いったん引き、苛々と待つ間にどうやら何か細工をしているらしき物音がひとしきり響き。
 そしてとうとう扉から光が差し込んだ。
 ゾンビだ、と叫ぶ声がして、すぐに目の前の腐れ死体がばたりと倒れた。好機、とばかりにアーバインは跳ね起き、物陰に飛び込むとブーツの内側に隠した手裏剣を引き抜きざまに投げつけた。あっさりとゾンビは倒れた。

 が、直後、アーバインは息を呑んだ。やっかいな奴が現れたものだ。光を背に扉から入ってきたのは(ずいぶん小柄で小太りではあるが)まぎれもなく地上エルフ。そいつは胸元から聖印を引き出して何事か唱えると、あたりじゅうに忌まわしい陽光が満ちた。ゾンビがきれいさっぱり片付いたのはありがたかったが、陽光は願い下げだ。とっとと奥に行って取り上げられた自分の剣を取り戻し、それからこんな場所には永遠におさらばだと思った瞬間、小部屋に続く廊下の向こうで扉がたたきつけるように開く音がした。こいつらが騒がしいからだ、とアーバインは歯噛みした。

 エミアスの祈りでゾンビどもが倒れたのを見た瞬間、ロウィーナは小部屋の奥へと身を躍らせた。呪いの力が偽りの命の消える揺らぎと縒り合わさって彼女の身体を運ぶ。さっきゾンビを倒したのは、と探そうとした瞬間、エミアスの掠れた悲鳴が耳を打った。そちらを向くと恐るべきものが目に入った。廊下の向こうからワイトの妖術師が2体、こちらへ向かって駆け出してくる。

 「気をつけて、ワイトよ、しかも死体を操るやっかいな奴が来てるわ!」

 先に言え、と、ビエントは喚いた。扉からまっすぐ部屋を覗き込んでいた彼の目に映ったのは、脇の廊下から駆け出してくるワイトではなく、部屋の奥から飛び出してきたゾンビ集団だったのだ。

 ええい、そんな重要なことは先に言うものだ、こんな雑魚どもにかかずらわっている暇はないというのに。
 とはいえ、目の前にひしめくゾンビを放っておくわけにも行かない。だいたい先にこの部屋にとらわれていたらしき人物が新たに沸いたゾンビの群にいいように殴られているのだ。ビエントは剣を抜き放つとゾンビの胸元の宙を切り裂いた。炎が噴出し、新たに5体沸いたゾンビは1体を残して倒れた。

 アーニャも遅れながら部屋に飛び込み、駆け出してくるワイトを見るや、とっさにその足元に氷を張る。思わずたたらを踏んだワイトの上を一陣の風が飛び越す。

 「そこのあんた、この死にぞこないを倒すんだ。手伝ってくれ!」

 ワイトの奥側からビエントが呼びかけた先はアーバイン。わかった、とも言わずドラウは一気に距離を詰めた。2人の男に切りたてられたワイトは――アーニャを狙い撃ちにし、死霊の忌まわしいオーラを撒き散らし、恐怖を振りまき、ずいぶんなことをしでかしはしたが――振り下ろされる鉄の塊をとめられなければ結局はこけおどしである。そしてさすがに多勢に無勢、斬り倒された。

 

 このシーンの裏側。
posted by たきのはら at 23:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠始末記』その3:“夜の拳”を追って

 「そりゃ、ナイトフィスト団の連中じゃなかろうか」

 到着した一行の話を聞いた途端、ダンガ村の村長、サバトラ模様のキャットフォークのメンガルは顔をしかめてそう言った。

 「ああ、あんたがたが言うような――その、“星の戦士”とやら言うものはこっちには来ていない。噂も聞いたことがないな。何、気色の悪い光の柱が立ち上るのを見なかったか、と? ……いや、ない、な。あんたがたの言う沼地はここからだと山をひとつ超えたところになるから、そこで光りモノが出ても気付かなかったんだろう。
 それよりも気になるのは、峠のオークだ」

 メンガルが言うには、ナイトフィスト――すなわち“夜の拳”団というのはこの辺り一帯を縄張りにしている荒くれ者の集まりで、やっていることと言えばつまり縄張りの中に“睨みをきかせて”おくこと。いたらいたで迷惑だが、峠を通るものが毒にも薬にもならないような者なら“通行料”を取って無事に通し、連中の縄張りを荒らしかねないものなら押し包んで息の根を止めて身包みを剥ぐので

 「まぁ、結果的には連中がいるおかげで村の周辺はそこそこ安全にはなっている。だもんでこっちもちょくちょく付け届けはしてる。まぁ、“お互い、うまくやってる”ってことなんだが、しかし――」

 そこまで言うとメンガルはもう一度顔をしかめ、耳の後ろをがりがりと掻いた。

 そのナイトフィスト団が仲間割れをしたにしろ、新手の荒くれ者にやられたにしろ、下手をするとこちらにとばっちりが来かねない。とにかく、あんたがたから聞いた限りの話では、何が起こったのやらさっぱり見当がつかんので……錬金術師の火でやられた連中がだいぶいるのなら、南の奥地のほうからこの大陸に古くから伝わる錬金術を使いこなすような連中が北上してきたのかも知れんし、やくざ仲間の中でのごたごたなら、そのうち手配書が回るかも知れんし……

 どれもこれも雲を掴むような話のかけらばかり。
 が、とにかく放っても置かれない。

 「とりあえず、ナイトフィスト団の首領のところに顔を出さにゃあなるまいなあ。オークが大挙して倒れていたのに知らん振りを決め込んだら後が怖い。
 あんたがた、俺の護衛として一緒にナイトフィスト団のところまで来ちゃくれんか。もちろん報酬は払う。宝石とまではいかないが、ちょっと値打ちのある石ならあるんだ。それで一人当たり金貨10枚分を支払うから」

 特に断る理由もない。
 というわけで、ドンゴ村からの4名に加えてダンガ村村長メンガルの5名は、ナイトフィスト団が根城を構えている山の洞窟に行った。
 が、そこはもぬけの殻だった。

 死体ひとつ転がっておらず、あたりも特に荒らされたふうもない以上、何ものかに襲われて全滅したわけではない。留守居がいる様子もないということは、何か訳あってここを引き払ったのだろう。

 地面には、そこにいる5名の誰もがわかるほどはっきりとした足跡が残っていた。とりあえず何が起きたかだいたいのことは掴んでおかねば話にならない。一行はぞろぞろと足跡について山奥に向かった。

 行く先はすぐに知れた。
 洞窟からしばらく行った場所が山越えの道になっている。上り詰めた道の脇には、古い石造りの見張り塔が建っている。足跡はそこへ向かっているものらしい。いや、そこに向かったのだ。塔の中から聞きなれた音が響いてきた。剣と剣の打ち合わされる音、怒声と悲鳴。どうしたものか、と進みあぐねているうちに、静かになった。

 状況を見届けずに帰るわけには行かない。
 村長を囲むように、一行はそろそろと塔に近づいた。

このシーンの裏側。
posted by たきのはら at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『関守峠始末記』その2:山向こうへの使い

 アーバインが塔の小部屋にとらわれの身となる少し前。

 襲ってきた“星の戦士”をひとまずは撃退した開拓村ドンゴは、あわただしい2、3日を送っていた。あんなわけのわからないものが出てくる以上、そう安穏としてはいられない。だいたい“星の戦士”を操るのがこの間のリザードフォーク一党だけだなどと誰が保証してくれるわけでもないのだ。

 である以上、備えなければならない。
 村人たちの避難の指揮をしていたケナフは、戻ってくると息つく暇もなく、さっそく村の周囲のパトロールに出かけた。
 スズランはハラ=ジュゴルへと向かった。定期便で届くだけでは不安というので、臨時に物資を買い付け、村の周囲を守る柵を補強するのに当てる目算だった。聖騎士がそのようなことを、というなかれ。彼が訴えれば同じ支払いでもより良い、より多くの物資を買い付けることができるのだ。
 ファイアスパーはもちろん、本来の任務――つまり、民兵の育成に尽力した。まずは逃げないこと、投げつけられる武器が手の中にあるうちは怯えて手元を狂わせてはならないことが彼の最初の講義だった。

 そして残る4人――ビエント、アーニャ、エミアス、ロウィーナは、近隣の村を回って、ドンゴ村を恐るべき人造戦士が襲ったこと、沼地の蜥蜴どもがなにやら怪しげな技術を手に入れたらしいことを警告し、また“星の戦士”とやらに繋がるような情報がないか聞いて回ることになった。
 最初は4人がそれぞれに散ってできるだけ早く知らせを撒こうという話になったが、互いに離れた村を巡り歩くのは小人数では危うい。4人で行くことになった。最初の目的地はもっとも近いダンガ村――ドンゴ村からは徒歩で2日だが、やや山がちなところにあり、峠を越えてゆかねばならぬ。

 あと半日で目的地、という昼過ぎ、ちょうど峠に来かかった。
 そこは酷い有様になっていた。

 峠道を埋め尽くすように、亡骸が折り重なって倒れている。人間のものではない、オークである。が、ちょうど人間の兵士が着るようなよい鎧を着ている。

 「ああ、傭兵のなれのはてだねえ」

 エミアスが悼ましそうに言った。彼らは最初開拓民たちに傭兵として雇われて鎧や武器を手に入れたが、そうするともともとあまり気性のおだやかならざるオークのこと、とっとと雇い主をぶっちらばって荒野に逃げ、野武士化したのだという。

 「仲間割れでもしたのかねえ」

 エミアスがもうひとことつぶやいた。
 倒れたオークはみな、彼らが手にしているのと似たような武器で斬り倒されたものと見える。死んだオークは一部を除いてみぐるみ剥がれており、無残な姿を晒していた。
 いったい何が起きたのかと周囲を改めてみたが、足跡は縦横無尽に入り乱れ、オークのものともそうでないともつかない。

 「おや、これは」

 ビエントが急に亡骸のひとつを指差した。

 「……火で焼かれてるわね。でも普通の火じゃない。錬金術師の火が飛び散って肉を灼いたあとだわ」
 「とすると、相手は錬金術の品物を買ってたたきつけられる程度には余裕があるか、それとも――仲間に錬金術に明るいものがいるんですわね。……秘術まで使いこなすようでなければいいんですけど」

 ロウィーナとアーニャが口々に言った。

 「やられたのは、2日前といったところかねぇ。わしらが村を出たころじゃ」

 倒れたオークの傷をしらべていたエミアスがつけたし、他の3人の顔を見た。

 「急いだほうがいいんじゃないかのぅ。ダンガの村はここから半日じゃ。ひょっとして何かとばっちりでも行っていたらおおごとじゃ」

 確かに、とうなずき交わし、一行はオークの折り重なる峠を後に、道を急いだ。

 

このシーンの裏側。
posted by たきのはら at 02:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月02日

『関守峠始末記』その1:根の国から来た男

 石の壁に何とか身体を預けながら、アーバインはたいそう不機嫌だった。持ち物をあらかた取り上げられた挙句ぐるぐる巻きに縛り上げられて冷たい石の床に転がされ、しかも御丁寧に周囲にゾンビが5体もうろついているのでは上機嫌になりようがなかった。

 まず剣だ。あの業物を取り戻さなきゃならん。そうしたらあのコボルドどもを一匹残らず膾切りにしてくれる。その前にこのいかにも雑魚といったゾンビを切り刻まなきゃならんが素手じゃどうもならん。縄はすぐにでも抜けられるだろうが、ブーツに隠した小刀に手が伸びるまで、こいつらを黙らせておくのは……うん、ちょっと難しいな。とりあえずは様子を見るか。

 縄を緩めようとして手首を少しばかりすりむき、アーバインはさらに不機嫌になった。襲い掛かってきた6匹のコボルドを膾切りにした後、この不景気な塔――彼が転がされているのは峠の上の見張り塔の中の小部屋の片隅だった――に火を放たなきゃならん。うん、きれいさっぱり燃やし尽くすに限る。下手にこいつらの身内など残しておくと後々の禍根になる。

 そう、彼がここにこうしているのも、元の元を辿れば、彼が政敵の屋敷に放った火が消し炭にした量が中途半端だったからに違いないのだった。
 
 アーバインはドラウの中でもそこそこの有力者の家に生まれた。ドラウは別名を“根のエルフ”とも言う地下住まいの一族である。アーバインはドラウとしては模範的にすぎるほどの精神構造をしており、「舐められたら百倍返しにするんだよ」という幼いころからの母の言に従って、彼の一族に対して舐めたまねをしでかした政敵の屋敷に火を放った。火はそのあたりを舐め尽し消し炭にしたが、やはりこれはやりすぎと受け取られたらしい。敵方のみならず、「下手人の身柄をそちらに差し出すからそれで勘弁してくれ」という裏取引をした身内のはずの一族にまで追われる身となり、アーバインは故郷の地下――根の国――を後にせざるを得なかった。

 追っ手を撒いて地上に飛び出した途端陽光に目を灼かれ、やはりここでは生きていけぬと引き返そうとしたが、かなわなかった。地下から追いすがってきたリザードフォークどもを一刀のもとに切り捨てた後、しばらく血の飛沫いた岩穴に潜んで夕暮れを待った。

 地上に出ても彼の生活はさほど変わらなかった。
 ドラウは地上では忌み嫌われる存在であり、陽光の下を大手を振って歩けば袋叩きに遭いかねなかった。宵闇から宵闇を伝いながらアーバインが知ったのは、彼がちょうど飛び出したところにあった開拓地のようなところには、彼が安心して生きられる場所はないのだろうということだった。雑多な港町がいい。そこなら誰も人のことなど気にしはしない。ドラウが珍しくないとはいわないまでも、種々雑多な風体の連中が入り乱れているには違いなく、そこに行き着きさえすれば、ちょっと顔を隠すだけであとは楽にやっていけるだろう。

 だからアーバインは、ハラ=ジュゴルという港町を目指した。
 その道中のある明け方、峠に立つ見張り塔に行き当たったのである。

 昼の陽光を遮る宿がほしいところだったが、なにやら塔の入り口には足跡が入り乱れており、剣呑だった。うっかり入って切り刻まれるのもつまらんが、とりあえず何がどれだけいるのか様子を見ておこう。
 そう思ったのがけちのつきはじめだった。

 塔に住み着いていたのはコボルドの大群だった。どこを襲って取ってきたものやら、ぐるぐるまきにしたオークを担いで、隠れているアーバインの目の前を通り過ぎていった。これはいかん、明るくなってきたらこの塔からとっとと離れたほうがいいかと思ったとき、足元で鳥もち袋が弾けた。見つかったらしい。巣穴の傍だけあって、コボルドどもはいくらでも沸いてきた。多勢に無勢でアーバインはつかまり、荷物のようにくくりあげられ、塔の中に運び込まれた。

 とりあえず陽光を遮る宿の中には招待されたわけである。しかも御丁寧なことに、ゾンビの下っ端を身の回りに5体も侍らせてくれている。

 やれやれ。

 首にかかった縄をこっそり外すと、アーバインは軽く首を鳴らした。

 こいつら全員生かしちゃおかねえ。

このシーンの裏側というよりはこの世界のエルフについて
posted by たきのはら at 01:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 猛き大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。